酒と畑に戯れるオヤジな私

酒を飲み、土を耕し、人と語り、日々に感動しながら楽しく生きるブログ

毎度馬鹿々々しい ブログ寄席

2009年02月24日 | オヤジのつぶやき
ま 世の中っつうもんは いろんなことがおきるもんでして・・

そこの沢庵しゃぶって 渋茶でも飲みながら聞いておくんなせぇな 


こないだの日曜日の朝のこってす

久し振りに かかあ孝行をしようってんで 車をだしゃ~した

行き先はそれ 前に行ったとき休みだった埼玉の和紙の里なんでさ~

かかあも助手席でウキウキしてやしたよ

「おまいさん 今日は休館日じゃないよね」

「あたぼうよ~べらぼ~め~ 日曜日に休んだしにゃ~おてんとさまの罰があたるってぇもんよ

 安心しね~な」

「はいよ おまいさん」


そんでもって 30分も走りこんだ頃でしたかね~

「あらま おまいさん 大変だよ」 

「なにがどうした 富くじでも当ったか」

「そうじゃないよ いま思い出したんけど 戸ばくちの鍵ををキチンとかけてきたかね~」

「なにお~ このとおへんぼくめ~~あれだけ戸締りしっかり見ろといってたじゃね~か」

出鼻をくじかれたんで つい乱暴になっちまった

「そんなこといったておまいさん ど~しよう」

「ど~しようも へったくれもねぇ ここからとってけ~すぞ しっかりつかまってろよ」

腕は確かでやす 駕籠かき・・ いや 運転暦48年  キュキューと急カーブを切りやしたよ


異変はすぐに起こりやがった

場所はそれ ついこの間も 相棒の熊のやろうが騙された北区の王子

娘に化けたキツネから 饅頭といわれて馬糞をつかまされ 悔しがってた王子稲荷付近

その王子 最近トンネルをくぐるようになったんで~ 熊のやろうがバイパスってましたがね

交差点で待たね~でもいい こいつは便利なもんですぜ

快適にトンネルに飛び込んでいきやした


???

出口のあたりに 奉行所の役人ばらが・・??

メガネをかけた 藤田まことみたいな役人が御用提灯を振って こっちこい!

なんだ なんだ なにがど~した

「貴殿の交通手形を拝見いたしたい」

「なにお~ 拝見してどうする」

「見れば 奥方といっしょではないか 無謀運転はつつしんでいただきたい」

「お~ おいらは確かに帽子なんぞ被って運転してね~よ  言われなくてもつつしんでるよ」

「いや そうではない 無帽子運転を咎めているのではない  早い話が早すぎたのだ」

「早い話が早すぎた? 遅い話が遅すぎた? なにをわけのわからんことを・・」

「ありていに言えば スピード違反じゃ」

「ありていに言わなきゃどうなる」

「ありていに言わなくともスピード゛違反じゃ」

「どっちにしてもいいけどさ オイラはちっとも違反してねぇよ」

「22キロオーバーじゃよ」

「22キロ~! いってえここは何キロなんで~」

「制限40キロ ちゃんと書いてある」

「40キロだ~~ トンネルの外は50キロじゃね~か」

「外は外 内は内じゃ 鬼は外 福は内というではないか」

「また わけのわからんことを・・煙に巻く気だな この~」

「ともかく 切符を切るから1万5千両を払っていただきたい 後日でよいぞ」


卑怯者! ろくでなし! 鼠取り! 家に帰れば婿殿といわれてんだろ!

あらゆる罵倒にも泰然自若 見上げたもんだよ八丁堀ってなもんでしたね~

こっちも疲れやした

助手席で ハラハラしていたかかあの一言で助かりやしたね

「おまいさん 早く戸締りを見ないと・・」

渡りに舟 どう決着をつけるか困ってやしたからね~

「旦那~ ここはかかあに免じてしき下がるがよ 反則金はお上のテーガク給付金てぇのがでてからでもいいかね?」

「う~ん 例のなにか~ あれ以外にも”ろれつ事件”やらなんやら いま幕府の中では もめてっからな~ 将軍家もいつまでもつか」 

「旦那がそんなこと言っちゃっていいのかね」

「そういうな 宮仕えはつらいんじゃよ  家庭もあるし・・」

この藤田まこと 急に頭の中に姑の菅井きんさんでも浮かんだか 急に静かになっちまった

なんだか気の毒になっちまってねぇ  武士は相みたがいってなもんや三度笠

これは前にも言ったけね  へへ・・

旦那のよこした切符を受け取っちまった


「おまいさん 悪かったねぇ」

今度は かかあがしょげ返る番だ

「くよくよすんね~ こちとら江戸っ子よ~ 宵越しのテーガク給付金は持たねぇ
 パパっと使っちまうのが江戸っ子っつうもんよ~」 (グッスン)


いろいろありやしたが 家に帰りゃ幸いなことに戸締りはガッチリ承知の助

かかぁのかん違いてなもんでした

「あ~よかった ほっとしたよ とんだ1万5千両になっちまったね~  おまいさん堪忍しておくれ」

「ま~いいってことよ  こうして盗人にも入られず 安心しただけでもなぁ あのまんまじゃ和紙見学どころじゃなかったぜ」

「そうだねぇ  あれ おまいさん・・」

「なんだよ またなんか仕出かしたか」

「そうじゃないよ さっき貰った切符のようすが変だよ」

「ん~?どれ   ありゃ こりゃシワシワの葉っぱじゃね~か」

「木の葉っぱかい おまいさん」

「あれ 裏だけ紙だぜ」

「葉っぱの裏だけ紙かい  するって~と熊さんみたいに おキツネさんに騙された?」

「藤田まことはキツネだったか  こいつぁー参ったさんに成田山 それにしてもよ 王子のキツネさんも粋なヤツだぜ」

「なんでだい」

「考えてもみね~な シワシワの葉っぱの裏の紙だからワシワシだろ  埼玉まで行かなくてもワシ 和紙に会えたじゃね~か」


お後がよろしいようで・・・・チャンチャン♪  



本編は 実話に基づいて創作された「落語」です

決して 警察関係者の方々を茶化してるものではありません

くれぐれも 良い子は言いつけたりしないように・・・