酒と畑に戯れるオヤジな私

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コミュニケーション 10則   その10

2006年10月07日 | コミュニケーション 10則
コミュニケーション10則も最終章になりました

今回は「自分の持ち味をだす」です

変に格好をつけたり 気色ばらずに自分らしさを表現していくことですね

当たり前のことをやる。。

これがヒントのようです


ある年の神宮球場のナイターでした

ヤクルトVS横浜の試合は 最終回9回の裏を迎えていました

試合は3点差で横浜のリード

ヤクルトは粘りをみせ ツーアウトながら満塁のチャンスです

ここで ホームランが飛び出せば サヨナラゲームになります

バッターは真中選手でした  ヤクルトファンの期待を全身に浴びての登場です


真中が打ちました!

しかし残念内野ゴロ  懸命に1塁ベースに頭から滑り込む真中でした

一瞬にしてゲームセット  試合終了です


ヤクルトベンチの選手たちが 次々に引き上げていきます

1塁の真中選手は 1塁ベースに顔をつけたまま うつ伏せになったままでした


そのときです

誰もいなくなったと思われたベンチから 一人の選手が出てきました

赤い 大きなメガフォンを持っています

うつ伏せのままの真中選手に近づいていきました

そうです。。 控え選手に回った池山選手でした

池山は 真中の背中に手をやりました

なにか声をかけているようでした

やっとのことで立ち上がった真中選手  涙を拭っています

二人は並んでベンチに姿を消しました


この光景 ヤクルトファンのみならず 横浜ファンからも盛大な拍手が送られました


そして このシーズン ヤクルトは優勝しました


ブンブン丸と異名をとったスラッガーの池山でした

さすがに晩年のこのシーズン 打棒が振るわずベンチを暖める試合が多くなっていました

くさります ふてくされた態度と 表情のけわしい毎日が続きます

選手たちからも孤立していました

自分でも どうしたらいいのか分からなかったといいます

その池山選手が この夜から変わりました

赤いメガフォンを口に当て ベンチから懸命に喉をからしてナインを応援する「ベンチのエース」でした

自分の居場所 持ち味を発揮できる役割を見出した池山でした


優勝後の若松監督の言葉が印象的でした

「池山のベンチからの真剣な 愛情溢れる応援が 選手たちから見えない力を引き出してくれました」

池山には 決して忘れられない最大級の賛辞だったでしょうね


自分の持ち味をだす

池山の解説を聞くたびに思い起こすエピソードです


10則は終わりました

次の機会には ほかのシリーズを始めましょう