AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

3157:中心点方式

2014年11月08日 | ノンジャンル
 Aさんはモニターシルバーの入ったTANNOY GRFを2000年に取得した。キャビネットはもちろん貴重な英国オリジナル。それから14年・・・GRFに魅せられ続けた14年間は過ぎ、その魅力はますます輝きを増している。これからもその蜜月は永遠に続きそうである。

 私のTANNOY GRFは我が家に来てからまだ7ケ月。ウィスキーの仕込みで言えばまだ樽に入ったばかりの状態・・・熟成には程遠い。それでも、導入直後の「これって本当にGRF・・・あのGRFなの・・・?」といった意気消沈状態からは脱しつつあるように感じられていた。

 今日は、そのGRFらしさを僅かばかりではあるがようやく見せ始めているように感じられる我が家のGRFの変化具合の確認と、Aさんの薦めでリスニングルームに導入したGe3のエンジェルファーの具体的な使いこなしについての検証のため、Aさんが我が家に来てくれた。

 実はGRF導入直後に一度Aさんは来てくれた。その時にはGRFらしさの小さな欠片も落ちていない状態であった。私同様、Aさんも少々暗い表情であった。

 どうやら、我が家に来るまで相当な期間、このGRFはほとんど鳴らされていなかったようであった。その長かった休眠期間のためモニターシルバーのユニットはすっかり凝り固まってしまったのであろう。

 我が家で鳴らされ始めて「雪解け」はゆっくりと進んだようある。最近はGRFらしさもほんの少し垣間見れるような気がしていた。

 最近のヘビーローテーションであるボベスコとスティッヒランドールのLPをLINN LP12のターンテーブルに載せた。

 「随分と良くなりましたね・・・」先日おいでいただいた「超」の付くLEAKマニアのSさん同様の言葉がAさんの口からも出た。

 「良くなりました・・・」といっても導入直後の前回と比べてという意味合いであって、絶対的評価で「良い」という意味合いではない。

 まだまだ伸び代はある・・・導入して数ケ月では、このスピーカーの持つ奥深い可能性の3割程度のところをうろついているにすぎない。

 そのまだまだ前方に広がっている可能性の長い道をゆっくりとしたスピードで上がっていこう。数年、あるいは十数年・・・その歩みがこれからの私のオーディオ歴の全てになるであろう。

 さて、続いて懸案のGe3のエンジェルファーである。その見た目の悪さから、導入には正直乗り気ではなかった。見た目が少々おどろおどろしく、何かしら宗教がかっているのでは・・・と思えるような外観はどうしても馴染めない。

 しかし、試してみるとその効果は確かにある。それは認めざる得ない。そして、リスニングルームに響く音の質感を優先するのであれば、外すことができない。

 リスニングルームの四つの壁と天井に吊るす。壁のどのあたりに吊るすのか・・・よくわからなかったので耳の高さに合わせて吊るしていた。

 Aさんはこのエンジェルファーを導入して相当な年数が経過している。その間様々な検証を積み重ねられた。高さや吊るす位置などの数多くの検証の結果、耳の高さやユニットの中心点の高さなどいろんな場所を試した結果、それぞれの壁の長方形の中心点に吊るすのが一番結果が良かったようである。

 そこで、我が家でもその「中心点方式」に変更することにした。二つの側面の壁と背面の壁はすんなりと変更できた。問題は正面の壁である。

 正面の壁には窓がある。窓には和紙製のプリーツスクリーンが設置されている。正面の壁の中心点はそのプリーツスクリーン上となる。

 「このスクリーンが邪魔になりますね・・・」と私が言うと「天井から糸で吊るせば大丈夫です・・・」とAさんは答えた。

 「あっ・・・そうか・・・糸で吊るすのか・・・」新たな発見であった。天井に両面テープでくっつける小さなホックを取り付け、そこに絹糸を取り付けて垂らす。その先端にエンジェルファーを取り付ける。糸の長さを調整して壁の中心点に合わせる。エンジェルファーはスクリーンに軽く触れる。

 どうにかこうにか「中心点方式」にセッティング変更が完了した。そして、先ほど聴いたボベスコのヴァイオリンによるヘンデルのヴァイオリンソナタのLPに再びレコード針をゆっくりと降ろした。
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