AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

6732:ピラミッド

2024年08月06日 | ノンジャンル

 スピーカーのセッティングは、繊細なものである。ほんのちょっとした移動、時には手で軽くトントンとしただけで、音に影響が出たりもする。

 オーディオ歴が浅いうちは、「スピーカーのセッティングのベストポイントなんてどうやったら探し当てることができるのであろうか・・・」と暗中模索状態であった。

 しかし、何年もの間自分のリスニングルームで試行錯誤を行い、さらにベテランオーディオマニアの方のお宅でのOFF会などの経験を積んでくると、「このへんかも・・・」という勘所が醸成されてくる。

 スピーカーのセッティングは、絶対的な正解があるわけではない。自分の音の好みや、空間表現の方向性によって、答えは何通りもある。

 最も一般的なセッティングは、まっすぐに正面を向かせた状態から少し内振りをつけたセッティングかもしれない。オーディオショップの試聴室でのセッティングも、そういったオーソドックスなものが多い。

 従前、genmiさんのリスニングルームでは、「平行法」と呼ばれることの多い内振りをつけずに、スピーカーの正面を真っすぐ向けるセッティングであった。

 今日の午後、半年ぶりにそのリスニングルームにお伺いすると、若干ではあるが二つのスピーカーには内振りがつけられていた。

 さらに二つのスピーカーの間の床の上には、四角形の音響調整パネルが置かれていた。その音響調整パネルはARTEというメーカーの「ピラミッドウォール」という製品であった。

 本来はリスニングルームの壁に掛ける用途のものである。その効用は「音の拡散を主に行うことでエネルギー感を損なうことなく部屋に自然な音響空間を生み出す」ことである。

  価格は50,000円で少しお釣りがくるくらいであるので、「オーディオアクセサリーとしてはリーズナブル・・・」と言っていいのかもしれない。

 前回訪問時には、この場所には円形の一般的なラグが置かれていたが、今回はそれが「ピラミッドウォール」に変わっていた。

 「ピラミッドウォール」は、単に床にポンと置かれているわけではない。リスニングポイント向かって若干持ち上げられている。この角度も試行錯誤の結果であるとのこと。

 もともと、genmiさんのリスニングルームの床や天井は、数多くの音響調整パネルで覆い尽くされているが、床面にも音響調整パネルが置かれ、「完全武装状態」になった。

 半年前と使用機材は変わっていないので、今回はスピーカーのセッティング変更と床面に置かれた「ピラミッドウォール」により、音の様相がどのように変化したのかということが、最大の関心点である。

 まずは、ボーカルものから・・・スキマスイッチの「奏(かなで)」が最初にかかった。

 「低域の量感というか、エネルギー感というか、弾む感じがアップしている・・・ボーカリストの存在感・・・ボディー感というべきか・・・そういった要素もアップしている・・・」と感じられた。

 ボーカルものをさらに数曲聴かせていただいたが、その印象は変わらず、スピーカーのセッティング変更と「ピラミッドウォール」は、とても良い効果をもたらしているようであった。

 ボーカルものの次はクラシックに移った。

 バイオリン協奏曲やピアノ独奏曲、さらにはオペラなどが次々にかかったのであるが、クラシックにおいても、今回のセッティング変更は「吉」と出ていると感じられた。オーケストラの低弦の質感などがゆったりと感じられる。

 genmiさんのリスニングルームは、明らかに「ニアフィールドリスニング」である。これは我が家もほぼ同じ。

 「ニアフィールドリスニング」の場合、ちょっとしたセッティングの変更が大きく音に影響を与えるような気がする。

 それ故、様々な試行錯誤が音にはっきりと影響を与えるので、嬉しい反面若干厄介でもあるが、genmiさんはその試行錯誤を楽しまれているようである。

 HPでは、ピラミッドウォールの説明は次のように続く。「ピラミッドウォールは、音の拡散を主に行うことで、エネルギー感を損なうことなく部屋に自然な音響空間を生み出します。出てきた音をバランス良くコントロールし、リスニングルームの大きさを超えた実在感のある音楽を再生します。ヴォーカリストであれば、目の前に実際にアーティストがいるかの如く、クラッシックであれば、オーケストラの配置が鮮明に現れ、ジャズであれば、演奏者の熱い鼓動を感じられるように、サウンドステージが再現されます。」

 genmiさんのリスニングルームでは、その説明通りの変化が生じているような気がした。

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