AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

553:ボート

2007年09月19日 | ノンジャンル
 吉祥寺には顧問先の会社が4件あるので、月に2.3回行く。今日訪問した顧問先は南口で降りて徒歩5.6分のところにある。駅からの道すがらに中古レコードショップが2件ある。「RARE」と「ココナッツ・ディスク」である。

 両方ともROCKのレコードが中心であるが、店の片隅にクラシックコーナーがある。申し訳程度といっては失礼ではあるが、それほどの在庫量があるわけではない。が、時々覗いてみる。値段がとても安いので1枚2枚と買うことがあるのである。

 今日も顧問先からの帰り道ふらっとよってみた。そしてRAREで1枚レコードを購入した。ベートーベンの弦楽四重奏曲第15番 イ短調 OP.132 LASALLE-QUARTETTの演奏である。レーベルはDeutsche Grammophon、ドイツ盤、録音は1976年。値段は1365円。

 盤の状態もいいようで、音的にもなかなか感がある。この曲はやはり素晴らしい。特に第3楽章に惹き付けられる。この第3楽章には「病癒えた者の神に対する聖なる感謝のうた」「新しき力を感じつつ」と書き込まれていることは有名である。

 実際にベートーベンは第3楽章にとりかかるまえに病気になり、この曲の作曲活動は中断した。その病が癒えて後にこの楽章の作曲に取り掛かったので、この楽章には独特な生気がみなぎっているのであろう。

 この曲はとても人気がある曲なので、様々な名演奏がレコードとして残っているはずであるが、私は知識的にはきわめて低いレベルなので、よくは知らない。このレコードの演奏もとても素晴らしいものだと感じた。

 レコードだとコンサートホールで感じるようなフワッと吹き上がるような独特な空気感が感じられる。確か弦楽器はその数を数えるとき「艇」という単位を使うはず。その形が船に似ているためであろうが、今日このレコードの音を聴いていて、「艇」という単位を使うことがなぜかしら合点がいった。
 
 吉祥寺の南口にはもう少し歩くと「井の頭公園」がある。その池には貸しボートがあり、家族連れで来たときには乗ったりするのである。ボートに乗ったときの独特の弾力感、池の上をスーと滑らかに進んだ時の爽快さなど、このレコードの音からはそういった感触が連想された。
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