おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

幸福な国

2024-05-23 11:13:29 | 日記
 少し前、ブータンという国が話題になった。ブータンの若き国王夫妻が来日し、その爽やかな風貌と国民が感じる幸福度調査で世界一であるというニュースが、実に新鮮だったのである。そんなブータン王国だが、決して経済的に豊かな国ではない。ヒマラヤ山脈のふもとにある小国で、産業らしい産業もないような国である。ところが、チベット仏教の影響によって、物質的なことよりも、人々の精神的な結び付きが幸福であると国民は考え、誰もが幸福に暮らしていると信じていた。

 すっかり世知辛くなり、どんどん元気がなくなっていく日本からすると、なんともうらやましい話だなあと思っていたら、最近のブータンはそうではなくなりつつあるという。ネットの普及などにより、他国の情報の流入によってブータンの人々は他の国の物質的な豊かさを知り、自分たちの相対的な貧困が気になり始め、かつての世界一幸福な国は95位まで順位を落としてしまっているのである。

 ブータンから比べれば、日本は豊かな国であることは間違いない。が、そんな日本の幸福度は先進国の中では最低に近い。なぜ幸福度が低いかというと、日本人は自分たちの住宅環境の貧困さ、所得の高くないこと、コミュニティ活動の低迷、環境問題対策の不徹底さ、政治への市民参加がない、人生に満足していない、ワーク・ライフ・バランスの不充分さを挙げる。

 ということは、逆に言うなら、ここに幸福になるためのヒントがあるということにもなる。住宅環境の貧困さ、所得の高くないことはニュースになりやすく、しかもなかなか改善していかないことを実感している。だとすれば、別の項目を改善すればいい。

 コミュニティ活動の低迷、環境問題対策の不徹底さ、政治への市民参加がない、人生に満足していない、ワーク・ライフ・バランスの不充分さといった項目は、ほとんど個人の努力でどうとでもなる項目なのである。とすれば、すぐにでも幸福度を上げようと思えば、個人の努力でどうとでもなるとも言える。ああしてほしい、こうしてほしいと他人に期待するのと同時に、ああしよう、こうしようとちょっと足を前に出せば、幸福度はどんどん上がって行くだろう。
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