九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

戦術メッシVSクロアチア 1970

2018年06月21日 19時32分37秒 | Weblog
予選リーグ屈指の好カード。開始時間だけがクソwww

初戦でドン引きアイスランド相手に予定通り苦戦したアルゼンチン。アグエロがいようがディマリアがいようがとにかく戦術メッシ。
一方のクロアチアは初戦快勝。中盤の底にモドリッチとラキティッチを並べゲームを終始コントロールした。

まあ普通に考えれば0-1か1-2でクロアチア勝利だろう。
ここまでの試合見てるとロシアのスタジアムの芝は長くて重くてドリブルやパスを多用するチームには不利なピッチになってるよな。
乾のドリブル見ててもボールが本人が思ってるように転がらない。せっかく、ドリブルデザイナーにコーチング受けたのに苦しいドリブルになっている。

アイスランド戦を見ても同じ感じがした。パススピードがイメージより遅くなり足元で受ける回数が多い。そして重度のメッシ依存w
仕方ないけどね。アルゼンチンじゃ生き神様だから。南米予選プレーオフも散々追い込まれた処からハットトリックなんだから。
そのメッシ相手にクロアチアがどうゾーンで守るか?
試合中の殆どを歩いてるメッシにマンマークは難しい。結局ゾーンになる。
逆にアルゼンチンはディマリアやアグエロがメッシの為にどれだけスペースを作れるか?
ポルトガルの真似してもう少し後ろに引いちゃえばいいとも思うけどね。ポルトガルは重心をかなり後ろにしてCR7にスペース作って成功してる。あれはメッシにも向くはず。

アルゼンチンの命運が決まる一戦なんで非常に楽しみ。

21時からやれ!www
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ニシノジャパン(22) 長谷部誠の偉業について  文科系

2018年06月21日 06時07分18秒 | スポーツ
 日本では長谷部誠が過小評価されていると思えてならない。これもサッカー後進国における「守備文化の欠如」(最初にこれを指摘したのは、日韓W杯ではじめて一次リーグ突破を果たしたトルシエ監督だと覚えている)によるものと観てきた。ドイツにおける彼の実績を中心に、そのことをいま、振り返ってみよう。それぞれの時代の世界的サッカー王国におけるこれだけの実績を持った日本人は、中田英寿以外にはいないと、声を大にして主張したい。

①ドイツ移籍2年目の08~09年にボルフスブルグのレギュラー・ボランチとしてリーグ優勝を成し遂げた。この年、ドイツキッカー誌選出の「ベスト11」に選ばれている。この優勝の前年1年間に、鬼監督フェリクス・マガトの軍隊式トレーニング・メニュを完全消化して、日本人離れした強い身体を作り上げたその成果が2年目に顕れたというのは、有名な話である。

②以来10年ほとんどレギュラーを張り続け、本年5月19日には3チーム目のフランクフルトにおいてドイツカップ優勝をも成し遂げている。この時の相手がドイツチャンピオンチーム・バイエルンミュンヘンで、ボランチ、リベロと二つの役割を演じて守備の要の大活躍。2得点したエースとともに、ゲーム最高評価点を残す二人となった。なおこのバイエルンミュンヘンには、コロンビアのロドリゲスもポーランドのレパンドフスキーも出ているのだから、彼らも長谷部には一目置いていることだろう。

③南ア、ブラジル、ロシアと三つのW杯に出場し、いずれも代表キャプテンを勤めてきた。

 どうだろう。サッカー王国のトップチームにおけるレギュラーかつ優勝経験とか、三連続のW杯主力とキャプテンとかを見ると、僕はどうしても中田英寿を思い出すのである。それも、日本人が伝統的・世界的に優秀といえる攻撃的ミッドフィルダーではなく、守備的中盤、時にセンターバックやサイドバックさえ任される長谷部は、僕には異人種にさえ見える。つまり、大変な才能と正しい努力が伺われるということだ。彼自身もまた攻撃的中盤として出発した選手のはずなのに、こういう境地を切り開いてきたのである。

 W杯を観るならば、こういう長谷部のプレーをもっともっと見ようではないか。それも、アジアでさえ日本選手が比較的苦手であり続けてきた潰し(の組織)のプレーを。サッカーとは、繋ぎと潰しを組織的に繰り返すゲーム。繋ぎが弱ければ得点できないし、潰しが弱ければ失点を食らう。ただし、繋ぎと潰しのこの弱さといっても、相手あってのその都度相対的なもの。潰しが苦手なチーム相手には、繋ぎが比較的苦手なチームのその繋ぎも通用するかもしれないし、同じように苦手な潰しでも通用する同格の繋ぎ相手もいるだろう。そんなこんなすべてひっくるめて、「日本には守備の文化がない」とは潰しがあまり観られていないということだ。サッカーで潰しを観ないとは、ピッチャーを観ない野球観戦に等しい。日本サッカーがなかなか強くならない一因にもなっているはずだ。
 それにしても日本では、なぜ攻撃的中盤ばかりに良い選手が出るのだろうか? この典型が宇佐見だが、ドイツではけっして高い評価を受けていない。繋ぎの選手ならなによりも柴崎のようにゴール直結性に優れているべきだが、サッカーのゴール直結性とは組織的な問題だということだろう。パスにせよドリブルにせよ、ただボールが運べるだけではだめだということだろう。 常にゴールから逆算して次のプレーを選択する習慣とでも呼ぶべきものだ。
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「炎と怒り」の今⑤  文科系

2018年06月21日 04時34分41秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 自分の疑惑に大統領強権発動とは、遅れた国の首長がよくやる手口。トランプはすでに、大統領就任前からその選挙そのものへの疑惑を抱えているのである。ロシア疑惑だ。これのもみ消しに使った手口がこの本にはかなり立ち入って描かれている。トランプによる検察や司法への強引過ぎる介入は、従来の政治家の節度を超えたような荒技もあった。なおこの問題における2018年の最近況は、いったん沈静という妙な決着が成立したようだ。大統領選挙結果そのものが不正となっては、アメリカ政治への信頼が根こそぎになるという危惧からだろう。が、こういう不正疑惑は、ブッシュ当選の時にもすでに上がっていたと記憶する。


【 「炎と怒り」の今⑤  文科系 2018年04月13日

 この本のその後や結末に当たる重大な新聞記事二つが昨日載っていたから、その記事と本の内容とを照合してみたい。神が「炎と怒り」を示すような所業が、今尚続いているということである。

 一つは、「米下院議長が引退表明 ライアン氏 中間選挙 出馬せず」。
 これは以前の共和党副大統領候補にもなった人物で48歳とまだ若い。この本によると、こんな立場、人物ということになる。
『2016年春の時点でも、ライアンはなお共和党の候補者指名でトランプに対抗できる位置にあり、このころにはそうできる唯一の人物になっていた』
『だが、ライアン本人はもっとしたたかな計算をしていた。指名はトランプにとらせたうえで、本選で彼に歴史的な敗北を味わわせる。そうなれば当然、ティーパーティー=バノン=ブライトバード(バノンの新聞社)一派は一掃される。その後は誰の目にも明らかなリーダーとして自分が党を主導していく、というシナリオだ』
 こういう、初めはトランプを馬鹿にしていた人物が、当選後はトランプ政権に急接近。法案作りなどにも協力して来た。それが今、引退。トランプと違って非常なやり手だそうだから、素人が共和党を引っかき回したり、大統領府内部の家族支配などの政権内情を知ったりして、もうやる気が失せてしまったのではないか。


 もう一つの記事の見出しは、こうだ。
『特別検察官の解任「米大統領に権限」報道官が見解』
 トランプのロシア疑惑に関わるニュースなのである。大統領選挙中からこれを調べていたコミーFBI長官を、トランプは首にしてしまった。この本に書いてあるその場面をご紹介すると、こうなる。
 この解任は、バノンを初めとして周囲のほとんどが反対したもの。それを押し切って一人で密かに決めて、解任通知書を自分のボディガードにFBI長官室に直接届けさせるという方法が採られた。通知書の最も肝心な部分には、こう書いてあった。
『これにて貴殿は解任、免職とする。本通知は即刻発効する』
 大統領首席補佐官らは、今後のことをすぐにこう考えたのだそうだ。
『「となると、次は特別検察官だ!」五時前にこれから何が起きるかを知らされたプリーバス(首席補佐官)は呆然とし、誰に聞かせるともなくそう言ったという』

 この歴史上なかったような暴挙以降の成り行きは、司法省が特別検察官を任命し、彼にロシア疑惑を捜査させることになる。事実として、後に司法省は、元FBI長官のロバート・モラーを任命したわけだ。

 さて、昨日の新聞記事は、こういうモラー検察官に対して「こうやれば首に出来るんだぞ!」とばかりに、トランプがわざわざ記者会見発表をさせたということなのだ。新聞記事中にはこんな一文があった。
『米CNNテレビは十日、トランプ氏がローゼンスタイン司法副長官の解任を検討していると報じた。トランプ氏はモラー氏を直接解任できないが、副長官を解任し、後任者にモラー氏解任を間接的に指示することは理論的には可能である』

 コミーと言い、モラーに対してと言い、法理念を無視して、その間を擦り抜けるような荒技ばかりが続いている。まさにトランプらしく、こんな所がネット右翼らに人気が高い理由なのだろう。】
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セネガル戦プレビュー 1970

2018年06月20日 13時47分55秒 | Weblog
日程を考えるとセネガルよりポーランド戦に照準を合わせたい。
両方獲りに行く贅沢は今の日本には無理。

昨日のポーランド戦を見てもセネガルはFWと両ウイングのスピードが尋常じゃない。そして守備もオーガナイズされている。
優勝予想の注目チームにこのセネガルとクロアチアを挙げたが、やはり強い。

カウンター狙いのセネガルは、おそらく日本にボールを持たせるだろう。そこからボールを奪って日本を走らせスタミナを奪う。日本が一番嫌なタイプのチーム。
だから、セネガル戦は控え中心のメンバーで捨てゲームにしてもいい位。
マトモに戦って恐いのはケガや累積の警告になる。次のポーランド戦は間が短いのでダメージは最小限に抑えたい。

大迫、乾、香川、長友、柴崎、原口辺りはベンチで休ませてもいいと思うよ。
まあ、今の西野監督は当たってるんで、その位やっても驚かない。

ということで、予想スコアは0-2w



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「炎と怒り」から④  文科系

2018年06月20日 12時26分51秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 再度の連載を続ける。

【 「炎と怒り」から④、その「輪郭」  文科系  2018年04月12日

 この500ページ近い本の内容を3回に渡って大急ぎで紹介してきてまだその途中であるが、今日は閑話休題として、この本の最も大きい輪郭、狙いに触れてみたい。そもそも、いくつも賞をもらった著名なジャーナリストが、大統領選挙の泡沫候補時代からトランプに張り付いて200件の聞き取りを経て書いたと言われ、その内容はいわば激しい政争話だ。ついては、この争いの何を取り上げ何を落としたかという著者の立場の客観的概括がなければ、公平な読み方とは言えなくなる。本自身の中身としても「・・・という話だ」「・・・と誰それは述べていた」というある意味無責任な印象批判とも取られかねない表現も多いことだし。

 さて、この輪郭、狙いを僕なりに客観的に推察すればこんな事があると読んだ。
① バノンのサイドの目で書いており、トランプの娘夫婦を批判する内容になっている。この内容なら、バノンの復帰すら形としてはまだ残っているという程度の内容だと読んだ。

② ということはつまり、こういうことだ。米大統領トランプ政治の1年が結局、娘夫婦とその周辺の財界人らによってこう動かされてきたという内容になっている。なお、行方も定まらぬ泡沫候補上がりのトランプ政権内の娘夫婦にどんどん近づいてきた人物には、こんな人々が居る。マスコミ人でFOXテレビのビル・マードック。ゴールドマン・サックスの現役社長だったゲイリー・コーン。彼は、トランプの経済閣僚になった。また、超高齢政治家ヘンリー・キッシンジャーも所々に出てくる。

③ ①②を併せると、こういうことになる。ここに書かれた「全体像」が真実か否か、どれぐらい真実かなどは分からないとも。つまり、当然のことだが、「裁判になっても言い逃れできる程度の内容、書き方」とも言える。と言ってもまた、目撃者以外からは出てこないような具体的すぎる内部エピソード満載のドキュメンタリー、つまり記録作品と言えることもまた確かだろう。

 ちなみに、去年8月にバノンが大統領府を退いた瞬間に、こんな声明も発表されている。
『バノンが首席戦略官および上級顧問を辞任すると、古巣のブライトバート・ニュースは直ちに同年8月18日付でバノンが会長に復帰すると発表した。このときバノンはブルームバーグ・テレビに対して次のように話した。「自分はホワイトハウスを去り、トランプのために、トランプの敵との戦争を始める。その敵はキャピトルヒル(連邦議会)やメディアやアメリカの経済界にいる」。翌19日、トランプ大統領はツイッターに「バノンに感謝したい。彼は不正直なヒラリー・クリントンに対抗して立候補した私の運動に参加してくれた。それは素晴らしいことだった。Thanks S」と投稿した。』
(ウィキペディアから、文科系引用) 】
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ヤダもう最高wwwハリル解任大成功のコロンビア戦 1970

2018年06月19日 23時42分20秒 | Weblog
よくやった!!!

いいポゼッションだった。
開始5分でまさかの退場。そこからの数的有利は前回大会のギリシャ戦を彷彿した。
案の定、川島がやらかし同点迄の展開は酷かったが、後半よく建て直してポゼッションした。
西野名将確定だwww

やっぱり守備に難ある日本はボール持って時間使わないと駄目よ。
柴崎と吉田、香川と乾、長友のセットで時間を使えたのが大きい。
そして、大迫も香川と連動してよく収めた。半端ないぞ大迫w

ペケルマンは退場で全てのプランが狂った。
前半でグアルダード下げたのは最大の誤算だな。
そして、後半日本があれだけポゼッション出来るスキルがあったことも誤算だったろう。

西野のプランも最高だった。
特にファルカオへのチャレンジ役を吉田にしてカバーを昌子にしたのはベスト。
右の原口が不安だったがよく身体張った。もう少し攻撃で見せて欲しかったし出来るはずだけどね。交代した本田がアシストこそあったが殆どボールロストに関わり全く機能しなかったことを考えれば右の原口は外せない。岡崎が使えるなら岡崎でもいいけど。

で、柴崎の交代で入った山口も、よくあれだけ短い時間の中でミスパスやるよな。ホント使えないわw
コロンビア最後のチャンスを演出したのは交代した本田と山口ってのが情けない。
大島早くコンディション上げろ。崩壊するぞ。

ということで、開始早々の退場である意味バカ試合を見事に制した監督、選手はホントによくやった。いいポゼッションだった。

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コロンビア戦プレビュー 1970

2018年06月19日 17時41分33秒 | Weblog
予想スコア1-3

ハメスが出ても出なくてもコロンビアとマトモにやれば2、3点は覚悟する試合になる。

要は何点獲りに行けるか。昨日の韓国を見てもヨーロッパではドン引きのスウェーデン相手でもボールを持たれ押し込まれる時間帯が多くなるのがアジアのクオリティー。
まして、南米のコロンビア相手では押し込まれる時間帯は長い。
しかし、日本の時間帯になる時に引かずに出れば得点のチャンスはある。

バカ試合の覚悟を持てばいいんだよ。
川島、吉田で抑えられるわけないんだからw

岡崎をケガで使えない可能性があるのは大きいが、替わりに武藤入れて、大迫、武藤、香川、乾を並べれば攻撃は出来る。前半ゼロで折り返して後半勝負なんてスケベ根性出さず、前半から撃ち合い上等で攻撃すれば、まさかの期待もある。

無いなwww

中途半端に守備に回らないこと。
負けたって協会のせいに出来るんだからガンガン行け。
繋ぐ所は繋いでゴール前で人数掛けて攻めれば得点出来る。
単発の攻撃は通用しない。日本にはレヴァンドフスキは居ないから。

2点獲ったら大健闘だ。がんばれ香川!
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「炎と怒り」から③  文科系

2018年06月19日 08時21分19秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 トランプのエキセントリックな言動に、日本の政治経済界やマスコミまでが良いように転がされている昨今である。彼がどんな人物かをよく知った上で対応した方がよいはずなのに。書評連載中の最初のトランプ・ベストセラー本くらいは読んで対応するのがよい。ある政治家個人へのスポットライトなど、あっという間に消えていくもの。イラク戦争で世界を深閑とさせたブッシュも今やただの人。トランプと同じ共和党政治家である彼でさえが、このトランプをこう評している。「就任演説はクソみたいな出来だったな!」。このことについては、先回ご紹介した。
 

【 トランプという人間(9)「炎と怒り」から③  文科系 2018年04月11日

 前回の最後に書いたのが、「(政権首脳の)組織図とブレーン3人」。今回はこの続きとして、彼らの力関係の在り様、その流動と結果ということになる。以下の場面は、政権発足後わずか2か月あまりでバノンが凋落していくまでのことだ。トランプ大統領誕生の最大功労者にして、政権の主席戦略官が、わずか2か月で実質解任! そのちょっと前に、ホワイトハウ内幕についてこんな文書が流れていたが、大統領に次ぐ権限を持った人物が、責任を取らされたというかたちになるのだろう。
 この電子メールは、この本の著者も同意する内容と言える。

 政権内幕暴露メール

『四月には、当初は十数人に送信された電子メールがどんどん転送され、かなり広範囲に広まってしまった。その内容は、ゲーリー・コーンの見解を評しているとされ、ホワイトハウスのスタッフが感じた衝撃を簡潔に表現している。メールの文面にはこうある。
 想像も及ばないほどひどい。まるで道化師に囲まれた愚か者だ。トランプはたった一枚のメモも、短い政策文書も、何一つ読もうとしない。世界各国の首脳との会談でも、退屈だからといって途中で席を立つ。部下も同じようなものだ。クシュナーは赤ん坊が地位を与えられたようなもので、何一つ知らない。バノンは傲慢なひどい男で、それほどでもないのに頭がいいとうぬぼれている。トランプにいたっては、もはや人間というより不愉快な性格の寄せ集めだ。一年もすれば、家族以外、誰も残っていないだろう。この仕事は嫌いだが、トランプの行動を知っているのは私だけだから、辞めるわけにもいかない。欠員が非常に多いのは、馬鹿げた“適性試験”に合格した人しか採用しないからだ。日の目を見ることのない中堅レベルの政策策定業務のポストですら、そんなことをしている。絶えずショックと恐怖にさらされる毎日だ』(P300~301)

 ここに言うコーンとは、現役のゴールドマンサックス社長だった人物。ニューヨーク財界人をバックに抱え始めた娘婿クシュナーが、大統領経済補佐官としてを引き抜いてきたお人だ。クシュナー自身は、ユダヤ人で億万長者の御曹司で民主党支持者。メディア王として知られるルパート・マードックも彼のブレーンになっていた。
 こうして、大統領府内の実権が、バノンや、プリーバスが代表した共和党中枢部から、クシュナー・ニューヨーク財界主流へと移っていく流れができたのである。

 バノンの凋落
 
 トランプ政権発足直後の乱暴すぎるような新移民政策は、バノンの力が示された。が、次のオバマケア問題が、バノンの最初のつまずきだったと述べられた後、こんな展開になっていく。折りしも、4月4日午前中に、シリアでの化学兵器攻撃に関する情報が、ホワイトハウスに集まってきた。
『バラク・オバマは、シリアの化学兵器攻撃に直面しても行動を起こさなかったが、いまなら行動を起こせる。限定的な対応になるだろうから、マイナスの影響はあまりない。それに、事実上アサドを支援しているロシアに対抗しているように見え、国内での受けもいいはずだ。
 当時、ホワイトハウス内での影響力が最低レベルにまで下降し、辞任は時間の問題だと多くの人から思われていたバノンは、軍事的対応に反対した唯一の人間だった』(P306)

 こういう事実が最後のきっかけとなって、シリア政府軍の攻撃の翌日、バノンを国家安全保障会議から外すと発表されたのである。】
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ニシノジャパン(21) ハメス、レパンドフスキは長谷部に任せろ  文科系

2018年06月19日 08時01分48秒 | スポーツ
今夜待ちに待ったコロンビア戦。
ところで、今夜のエース、ハメスも日本の最終戦ポーランドのレパンドフスキも、ドイツはバイエルンの選手。そして、長谷部はつい最近の5月19日、こういう彼らのチーム相手に大金星を挙げたという、大変貴重な体験を持っている。しかも、ドイツカップ決勝戦という重要ゲームにおいて、守備の要、司令塔を演じてのことである。

 このフランクフルト・バイエルン戦における長谷部は、別コメントに書いたようにボランチとリベロの両方を演じている。いつもの通り、フランクフルトの守備の司令塔としてのことだ。さらにこのゲーム終盤では、長谷部がハメスからボールを奪って、そのボールから得点が生まれたはずだ。
 ハメスのような攻撃の選手はこのように、守備の仕方によっては案外チームの弱点にもなるのである。長谷部はハメスのその弱点をよく知っているということでもある。そんなことは百も承知の西野監督。長谷部から大変な量の情報を得ているはずだ。そして、長谷部の意見から今夜の守備組織を作るはずである。と言うような長谷部を、今夜使わないわけがないのである。今夜のハメスは、長谷部にだけは一目置きつつゲームに臨んでくる。この精神的優位は、とてつもなく大きい!


 ちなみに、ポーランドのエース、レパンドフスキは香川の元同僚であった。香川を使うのが面白かろう。そして、そのころから長谷部は、レパンドフスキのこともよく知っているのである。 
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「炎と怒り」から②  文科系 

2018年06月18日 15時01分23秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 トランプがますます世界史的な物議を醸しているところから、4月のこの連載を前の通りに再現していきたい。典型的なこの物議が「貿易不均衡」に対する保護主義の提唱。レーガン政権に始まった新自由主義経済貿易の世界席巻を謳歌してきた国が、自分が不利になるとその仕組を壊すと言い放つというこの利己主義! 特に物貿易ならぬ金融自由化を世界に迫って、通貨危機、債券の空売りなどで散々暴利をむさぼってきたそのやり方はまだまだそのままという物貿易保護主義なのだから、何の説得力、知性も感じられない一方的なわがままというだけのこと。
 4月の6回連載の内①と⑥を再掲したから、間の②~⑤を続けていく。


【トランプという人間(8)「炎と怒り」から②  文科系 2018年04月10日

 トランプ(大統領府)の内幕を暴露した「炎と怒り」、2回目の紹介である。先回は、「当選が分かった時のトランプの七変化」、「トランプの会議の進み方」、「トランプの性格」の三つを書いたが、今回は以下を紹介したい。「続、トランプの性格」、「就任演説」、「組織図とブレーン3人」。ここまでで、この本の4割ほどの紹介になるはずだ。

「続、トランプの性格」

『バノン(選挙戦中盤以降大統領府に至ってからも、トランプ最高位のブレーンだった人物。大統領府では、主席戦略官、上級顧問)はトランプを、ごく単純な機械にたとえた。スイッチオンのときはお世辞だらけ、オフの時は中傷だらけ。卑屈で歯の浮くようなお世辞があふれるように口から出てくる──何々は最高だった、驚くべきことだ、文句のつけようがない、歴史に残る、等々。一方の中傷は怒りと不満と恨みに満ち、拒絶や疎外を感じさせる。
 これは、トランプ式経営術のコツでもあった。見込みのありそうな顧客候補はとにかく褒めそやす。だが、相手が顧客になる可能性が消えたとたん、屈辱や訴訟を雨のように降らせる。押してもだめなら引いてみよ。バノンはこう思っていた──トランプを簡単にオンにもオフにもできる』(P68)

『ホワイトハウスで、トランプは自分の寝室に閉じこもっていた。・・・・トランプは入居初日に、すでに部屋に備えられた一台に加えて、さらに二台のテレビを注文した。ドアに鍵を付けさせ、緊急時に部屋に入れないと困ると言い張るシークレットサービスと小競り合いを起こしたりもした。・・・スティーブ・バノンと夕方六時半のディナーをともにしない日は、その時間にはもうベッドに寝転がって、チーズバーガー片手に三台のテレビを観ながら何人かの友人に電話をかける。電話は彼にとって、世界とつながる真の接点なのである』(P148)
 なお、上記のような三台のテレビと頻繁な電話がトランプの学習、情報収集手段なのだが、以上以外で彼が本を読むという習慣は皆無だと紹介される。一冊の本さえまともに読み通したことはない人物と書かれていただけでなく、本書の中には、こんな下りさえあった。
『ミスタートランプは、オバマのスピーチなど一度たりとも最後まで聴いたことがないとおっしゃっています』

「就任演説」

 就任式演説内容は、こんな風に描かれている。
これはほとんどバノンが文章化したものである。因みにこの本の著者は、トランプはまともに構成された文章など書けないと観ている。
『これらのメッセージは、トランプの好戦的な”カウンターパンチャー”としての側面には響いたが、もう一方の”愛されたがり”の側面には受け入れがたいものでもあった。トランプに内在するこの二つの衝動を、バノンはうまくコントロールできていると自負していた。前者を強調し、ここで敵をつくることはよそで仲間を増やすことにもつながると説得したのである』
 こういう演説への、ご本人とある有名人物一人との評価を観ておこう。
『このスピーチはあらゆる人の記憶に残るだろう』
『一方、貴賓席にいたジョージ・W・ブッシュは、トランプの就任演説に対して歴史に残るであろうコメントをした。「クソみたいなスピーチだったな」』 

「組織図とブレーン3人」

 従来の政治集団が何もないままに思いもよらず当選したこの大統領陣営には、組織とか、組織を作る人々というのがほとんど欠如している。父から譲られた会社が上手く行っただけのトランプも同じ事だ。そこにあったのは混乱のみだが、その混乱の中から選挙にも貢献した3人の人物が浮かび上がってくる。以下は、そういう様子に関わることだ。
『トランプ率いる組織ほど、軍隊式の組織から遠い存在はそうあるまい。そこには事実上、上下の指揮系統など存在しなかった。あるのは、一人のトップと彼の注意を引こうと奔走するその他全員、という図式のみだ。各人の任務が明確でなく、場当たり的な対処しか行われない。ボスが注目したものに、全員が目を向ける。・・・・大統領執務室はあっという間に、トランプの側近が日々入り乱れる喧噪の場に変わってしまった。大統領のそばに近づける人間がここまで多いのは、歴代政権を見わたしてもトランプ政権くらいだろう。執務室で大統領を交えて会議をしていると、ほぼいつも大勢の側近が周囲をうろつき、何かと割り込んでくる。事実、側近の誰もが、どんな会議にも必ず居合わせようとしていた。彼らははっきりした目的もないのに室内をこそこそと動き回るのがつねだった。バノンはいつも何かしら理由をつけては執務室の隅で書類をチェックしつつ、会議の決定権を握ろうとした。プリーバスはそんなバノンに監視の目を光らせ、クシュナーは他の側近の居場所をつねにチェックする。』
『トランプがジェームズ・マティスやH・R・マクマスター、ジョン・ケリーといった誉れ高い軍人(それぞれ、元海兵隊大将。元陸軍中将。元海兵隊大将。国防長官、安全保障補佐官などになった)にへつらうことの皮肉。そのほんの一端が、そこには表れている。彼らは、基本的な指揮原則をあらゆる面で害するような政権のもとで働く羽目になったのだから』

 なお、上で述べられた政権当初の頭脳、バノン、プリーバス、クシュナーについて、紹介しておこう
 バノンは、超右翼団体の、いわゆるボストンティーパーティーから台頭してきたジャーナリストで、大統領主席戦略官、上級顧問。プリーバスは、共和党全国委員長を経てトランプ当選に貢献し、大統領首席補佐官。この首席補佐官という地位は、内閣総理大臣にも当たるものだ。そして、トランプの娘婿、クシュナーは、大統領上級顧問である。
 なお、このうち、バノンは後に辞任して政権から離れるし、プリーバスに至っては解任されている。この辞任、解任続きというのはこの政権で有名な出来事だが、広報部長などはこの本が出た時点ですでに3回も交代させられている。それぞれ、辞任、辞任、解任ということだ。】
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ドイツやらかすwwwwwwww 1970

2018年06月18日 02時07分31秒 | Weblog
ここ1年位守備力が落ちたなと思ってたがメヒコ相手にやらかすとは思わなかったw

フンメルスは終始チチャリートを捕まえられず、中盤の守備もテストマッチ同様甘い。メヒコのワンパターンのカウンターに対して対応が全て後手だったな。
みんなエジルが悪いwww

これで只でさえ死の組だった処が更に死の組になって韓国は災難。スウェーデンも守備堅いからドイツは早くも山場が来た。

それにしても、だからハリル早めに馘にしてアギーレ戻せば良かったじゃないかw
メヒコのサッカーのティストは日本に合うんだよ。カウンターのやり方も、繋ぎも。ホントに残念だな。システムにしても、試合中あれだけシステムチェンジ出来ればフィジカルでやられても他で挽回出来るのだから。

ドイツは次のスウェーデン戦、今日と同じような展開になったときにロイス辺りがラッキーボーイにならないと予選落ちする。スウェーデンはメヒコより更に守り倒してくるチームだから。引き分け狙いで十分で。ヨーロッパプレーオフでイタリア相手に守り倒したスウェーデンはからゴール奪うのも中々大変。

ということで、スペイン勝てず、アルゼンチン勝てずと強豪が初戦に苦しんだが、ドイツは盛大にやらかしましたwww
ブラジルもやらかすか?w
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突然顕れた「世界史分岐点」  文科系

2018年06月16日 09時41分09秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 15日の中日新聞社説『破壊のつけは我が身に 孤立するアメリカ』は、標記のような内容をさえ持った世界情勢分析とも言えるものになっていると思う
 5月26日「アメリカの孤立」エントリーとか、トランプ追跡やその当選の意味とかなど、僕もここで同じ論点を展開してきたからこそ、なるほどと思いながらこの主張を、ここに描いてないことも色々、数々思い巡らせながら、読み直した。内容を要約して、世に広く訴えてみたい。
 正確な知識は構造を成しているものというが、これだけ時間、空間が広い論述も、毎日のニュースを伝えることを主任務とする新聞としては珍しいほどのもののはずだ。


 まず、書き出しはこの記事の要約にあたるもの。こんな表現からして、世界史的重大事が今起こっていると判る。
『今や米国は世界の深刻な不安要因である。トランプ大統領がいそしむ秩序破壊の後には混乱が広がる。そのつけは自身に返ってくることを悟るべきだ』


 これに続く内容が、米国の世界史的威信が急落しているという数字と、今回G7におけるアメリカの孤立。特に、この下りが重要だろう。
『トランプ政権がカナダはじめ欧州連合や日本という同盟国に導入した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限の理由に、よりによって安全保障を挙げたことを批判した発言だ。
 敵国同然の扱いをされたと怒るカナダと欧州は報復する構えだ。貿易戦争に発展しかねない雲行きである』
 こういう理解から、G7開催国カナダのトルドー首相が総括記者会見でこう述べることになったのだった。
『米国が安全保障を理由にすることを軽く見るわけにはいかない。これは侮辱だ』

 この直後の論述として第二次大戦後の世界経済体制の構築経緯、解説が続いた上で、こういう中間の締めが行われている。これは、戦後世界史にとって大変な表現ということになる。
『米国自身が大きな恩恵を受けたこうした経済体制を、トランプ氏は壊しにかかっている』

 次に続く記事内容が、こういうG7に対して同時に開かれた中ロ中心の上海協力機構の事。G7がこんな分裂を呈していて「自由と民主主義」世界は一体どうなるのかという悲鳴のようにも聞こえる。
 そして、この社説全体の最後はこうなっている。
『破壊した後にどんな世界をつくる考えでいるのか。トランプ氏の場当たり的で一貫性に欠ける言動からは、そんなビジョンはうかがえない。
 責任あるリーダーの座から降りた米国。この大変動を乗り切るために日本も選択肢をできるだけ増やして外交政策の可能性を広げる必要がある』


 ここからはさて僕の今日の文章になるが、こういう世界史急変の根っこを考えると、さらに深刻な気分になっていた。まず、この社説中にすらあったこんな文章。
『独善と身勝手で米国を孤立に追いやるトランプ氏。それでも支持率は持ち直し四割台に乗った』
 こんなトランプにアメリカ国民の支持が一定数かつかなり熱烈に存在しているのである。日本をはるかに凌駕した不安定労働者らアメリカ国民の政治を見る目先をば、トランプが一定捉えているということだろう。このことから、1929年の世界大恐慌以降の世界狂乱期に「世界に冠たるドイツ」を掲げて急台頭してきたヒトラーの、その栄光と瓦解との歴史が思い出されてならない。人類や世界史が何も見えていないポピュリズム権力が勃興して人類を蹂躙した上に、まるで世界と心中しかけたような出来事であった。
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スペインポルトガル バカ試合最高www 1970

2018年06月16日 05時09分07秒 | Weblog
日本サッカー協会の監督解任記録を大幅に塗り替えたスペインがポルトガルと最高に楽しいバカ試合を見せてくれたw

イニエスタ本当にヴィッセルでいいのか?w
あんな神業ワンタッチパスなんか日本人誰も反応出来ないぞw

試合に関してはW杯初戦は毎回やらかすスペインが殆どボールをキープしてポルトガルのカウンターからのCR7に3点。流石だな。
スペインのやらかしの原因は9割ピケwwwここ2年位の間に急激に劣化した。殆ど負けてたわ。逆にラモスは良かった。
それにしてもスペインは代表チームというよりは、マンチェスターシティの強化バージョンのようだ。

ポルトガルはCR7がこの後ケガで離れたらアウトだな。それが無ければ問題無い。

日本代表もね、レベルはさておきこういうバカ試合をやって欲しいね。スペインはもう20年以上あのやり方を貫いてるんだから。

いや~楽しかった。
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ニシノジャパン(20)「現代的守備」理解の一助として  文科系

2018年06月15日 14時31分29秒 | スポーツ
 1 前置き、問題意識またはこの理解の重要さについて

「良い守備からこそ得点の多くが生まれる」とは、昔からの格言。が、ドルトムントのゲーゲンプレスが生まれて以降の世界サッカーでは特に、攻守の境目がどんどん難しくなっている。最近よく「攻守の切替の速さ」が最重要のサッカー戦略用語になっているのだから、なおさらのことだ。何を攻撃と言い、何を守備というのか。そもそもゲーゲンプレスとは、「攻ー守ー攻」という3つの局面を必ず含んだ得点術用語であって、そういう3局面を含んだ1つの得点戦略なのである。

 こんな時代になってなお守備と攻撃を厳然と分けて何かを語れると考えている事自身が、すでに時代遅れの思考なのだと思う。そこで僕は、得点法に絡んで来る守備は守備などとは呼ばずに、潰しと呼んできた。それも主として、個人的潰しではなく、組織的潰しをこそ得点法として論じるべき時代に入ってきた、と。

 2 パラグアイ戦理解のためにも
  
 さて、以上のことを初めに語ったのは、こういう発想を頭に置いておかないと、現代サッカーの最重要局面が理解できないからである。ハイ・ゾーン・プレスで攻めていて、ボールを取られ、すぐに奪い返して得点に結びつけようなどという局面が正確に論じられず、思考が追いついていかないことになる。そしてこういう思考からは、代表最近のスイス戦とパラグアイ戦の以下に観るような甚だしくかつ大事な違いを説明することもできなくなる。日本が勝ったパラグアイは今でも強いチームなのであって、この予選ではブラジルとコロンビアからそれぞれ一勝を挙げているのだから。しばらく悪いゲームしかできなかった日本が、何が原因でこんな相手とこんな良いゲームが出来るようになったのか。

 スイス戦の後で大迫はこう述べた。「あんなプレスをやらされるなら、30分で死んでしまう」。 パラグアイ戦の戦評では逆に、「前4人の連携プレス、ボール奪取が実にスムースで、これが勝因」と述べた専門家が多い。どこでこんな大きな違いが生まれたのかこそ、今後の代表の戦いを考える最要点のはずだ。

 3 「組織的に敵ボールを潰す」司令塔

 さて、現代サッカーで最も大事な敵ボール奪取は、組織的に行われる。組織で奪うのであって、誰か個人が奪ったように見えてもそれはたまたま「彼の所へボールが来た」にすぎないのである。そして、こういうボール奪取組織作りにはその司令塔が不可欠である。前陣がプレスに行きやすいように後ろを押し上げて敵のパスやスペースを消していく司令塔だ。 自らの言葉とプレーとで、その都度良いボール奪取陣形を作る役割である。これがいー加減な扱いをされるなど機能しないと、前と後ろが間延びをして「死にそうになった」と大迫が言うスイス戦代表が出現してしまう。W杯の戦いを例に取れば、ドイツ大会、ブラジル大会はこれで敗れたとさえ、言って良い。
 そしてさて、例えば長谷部が、この事の名手であるのは明らかだ。だって、先日のドイツ・カップ戦決勝でバイエルンを破って優勝したフランクフルトの守備陣営において最も信頼厚い司令塔なのだから。このゲームの長谷部は、時にボランチ、時にリベロという大活躍だったが、守備の要の役割を果たして、ドイツ代表集団といえるバイエルン相手の決勝戦に勝利したのである。また、久々に鮮やかな勝利を収めたパラグアイ戦では、キャプテン山口がこの役割を演じたことも明白である。前4人があれだけ上手くプレスに行けたというのは、後ろでパスコースやスペースを埋めるなどの選手流動が上手かったということに他ならないからだ。

 さて、こういう長谷部や山口に対して、「潰しはまーまーかもしれないが、その次のパスが下手だからダメ」とか、「パスが下手なのは、視野が狭いからだ」とかと断罪した上で、「パスが上手いボランチ2人、例えば柴崎と大島に替えるべき」とパラグアイ戦評論を書いたとしたら、潰しの組織作りを何も見ていない大変なゆがんだ視点だと僕は言いたい。例えばこんな反論をしたい。柴崎や大島に、組織的潰しの司令塔などできるわけがない、とか。彼らと、長谷部、山口とは役割が違い、後者に替えうる人は他には居ない、とか。ロングパスの視野はないかも知れないが、別の視野がある、前と後の潰し組織作りにこそ、長谷部、山口の視野の広さ、良さが発揮されているのである、とか。本田も含めて全員が、厳重にこの司令塔の指示を守らねばお話にならない、とか。

 という以上全ても含めて、パラグアイ戦の組織が何故以前の戦いとは全く違って見事だったのかを正しく分析することは、今後の代表を正しく考えてみられる最低の作業になると主張しておく。
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トランプという人間(7)「炎と怒り」から①   文科系

2018年06月14日 06時59分29秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 今日は、昨日の本紹介の第一回目を再掲する。お望みなら4月13日まで毎日続くこの続きをお読み頂ければ嬉しい。掲載日が判っているエントリーの出し方は、こうする。右欄外の今月分カレンダー下にあるバックナンバーと書いた「年月欄」で、18年4月をクリックする。するとすぐ上の今月分カレンダーがその月のものに替わるから、そのカレンダーの9日をクリックすると、エントリー本欄がその日のエントリーだけに替わるので、お求めの「炎と怒り」第2回目エントリーをお読み願える。よろしく。


【 トランプという人間(7)「炎と怒り」から  文科系 2018年04月08日

 今年1月発刊なのに瞬く間に全米170万というベストセラー「炎と怒り」。それも、この日本語訳が出た2月下旬に既にこの数字! 読み進むうちに、それも当然と、どんどん感慨が深くなって行った。この本を読むと、何よりも、「今のアメリカ」が分かるのである。こういう人物が大統領選挙に勝ってしまったというアメリカの現状が常軌を逸しているというそのことが。そういう内容紹介を、ほぼ抜粋という形で始めていく。泡沫候補の時代からトランプ選挙陣営の取材を許可されていた著者は、何回か全米雑誌賞を取った著名なフリージャーナリスト。そんな彼が経過順に22の題名を付けて描いたこの本の紹介には、エピソード抜き出しというやり方が最も相応しいと考えた。

 さて初めは、既に有名になった大統領当選が分かった時のトランプの様子。
『勝利が確定するまでの一時間あまり、スティーブ・バノンは少なからず愉快な気持ちで、トランプの様子が七変化するのを観察していた。混乱したトランプから呆然としたトランプへ、さらに恐怖にかられたトランプへ。そして最後にもう一度、変化が待ち受けていた。突如としてドナルド・トランプは、自分は合衆国大統領にふさわしい器でその任務を完璧に遂行しうる能力の持ち主だ、と信じるようになったのである』(P43)


 次が、「トランプの会議のやり方」。「初めて出席した時には本当に面食らった」とこの著者に話したのは、ラインス・プリーバス。政治や選挙の素人ばかりが集まったトランプ選挙陣営に選挙終盤期に初めて入ってきた玄人、共和党の全国委員長だ。彼の協力もあって当選後は、大統領首席補佐官になったが、間もなく解任された人物でもある。
『プリーパス自身はトランプに望みはないと思っていたが、それでも万一の保険にトランプを完全には見捨てないことにした。結局は、プリーパスがトランプを見捨てなかったという事実がクリントンとの得票差となって表れたのかもしれない。・・・・それでもなお、トランプ陣営に入っていくプリーバスには不安や当惑があった。実際、トランプとの最初の会合を終えたプリーバスは呆然としていた。異様としかいいようのないひとときだった。トランプはノンストップで何度も何度も同じ話を繰り返していたのだ。
「いいか」トランプの側近がプリーバスに言った。「ミーティングは一時間だけだが、そのうち五四分間は彼の話を聞かされることになる。同じ話を何度も何度もね。だから、君は一つだけ言いたいことを用意しておけばいい。タイミングを見計らってその言葉を投げるんだ」』
(P67)

 さて、今回の最後は、トランプの性格。選挙中からトランプに張り付き、200以上の関係者取材を重ねて来た著者による、言わば「結論部分」に当たる箇所が初めの方にも出てくるのである。
『つまるところ、トランプにだまされまいと注意しながら付き合ってきた友人たちがよく言うように、トランプには良心のやましさという感覚がない。トランプは反逆者であり破壊者であり、無法の世界からルールというルールに軽蔑の眼差しを向けている。トランプの親しい友人でビル・クリントンのよき友でもあった人物によれば、二人は不気味なほど似ている。一つ違うのは、クリントンは表向きを取り繕っていたのに対して、トランプはそうではないことだ。
 トランプとクリントンのアウトローぶりは、二人とも女好きで、そしてもちろん二人ともセクハラの常習犯という烙印を押されている点にはっきりと見て取れる。ワールドクラスの女好き、セクハラ男たちのなかにあっても、この二人ほど躊躇も逡巡もなく大胆な行動に出る者はそうそういない。
 友人の女房を寝取ってこその人生だ、トランプはそううそぶく。・・・
 良心の欠如は、トランプやクリントンに始まったことではない。これまでの大統領たちにもいくらでも当てはまる。だがトランプは、誰が考えても大統領という仕事に必要と思われる能力、神経科学者なら「遂行機能」と呼ぶべき能力が全く欠けているにもかかわらず、この選挙を戦い抜き、究極の勝利を手にしてしまった。トランプをよく知る多くの者が頭を抱えていた。どうにか選挙には勝ったが、トランプの頭では新しい職場での任務に対応できるとはとても思えない。トランプには計画を立案する力もなければ、組織をまとめる力もない。集中力もなければ、頭を切り替えることもできない。当面の目標を達成するために自分の行動を制御するなどという芸当はとても無理だ。どんな基本的なことでも、トランプは原因と結果を結びつけることさえできなかった。』(P51~2) 】
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