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突然顕れた「世界史分岐点」  文科系

2018年06月16日 09時41分09秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 15日の中日新聞社説『破壊のつけは我が身に 孤立するアメリカ』は、標記のような内容をさえ持った世界情勢分析とも言えるものになっていると思う
 5月26日「アメリカの孤立」エントリーとか、トランプ追跡やその当選の意味とかなど、僕もここで同じ論点を展開してきたからこそ、なるほどと思いながらこの主張を、ここに描いてないことも色々、数々思い巡らせながら、読み直した。内容を要約して、世に広く訴えてみたい。
 正確な知識は構造を成しているものというが、これだけ時間、空間が広い論述も、毎日のニュースを伝えることを主任務とする新聞としては珍しいほどのもののはずだ。


 まず、書き出しはこの記事の要約にあたるもの。こんな表現からして、世界史的重大事が今起こっていると判る。
『今や米国は世界の深刻な不安要因である。トランプ大統領がいそしむ秩序破壊の後には混乱が広がる。そのつけは自身に返ってくることを悟るべきだ』


 これに続く内容が、米国の世界史的威信が急落しているという数字と、今回G7におけるアメリカの孤立。特に、この下りが重要だろう。
『トランプ政権がカナダはじめ欧州連合や日本という同盟国に導入した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限の理由に、よりによって安全保障を挙げたことを批判した発言だ。
 敵国同然の扱いをされたと怒るカナダと欧州は報復する構えだ。貿易戦争に発展しかねない雲行きである』
 こういう理解から、G7開催国カナダのトルドー首相が総括記者会見でこう述べることになったのだった。
『米国が安全保障を理由にすることを軽く見るわけにはいかない。これは侮辱だ』

 この直後の論述として第二次大戦後の世界経済体制の構築経緯、解説が続いた上で、こういう中間の締めが行われている。これは、戦後世界史にとって大変な表現ということになる。
『米国自身が大きな恩恵を受けたこうした経済体制を、トランプ氏は壊しにかかっている』

 次に続く記事内容が、こういうG7に対して同時に開かれた中ロ中心の上海協力機構の事。G7がこんな分裂を呈していて「自由と民主主義」世界は一体どうなるのかという悲鳴のようにも聞こえる。
 そして、この社説全体の最後はこうなっている。
『破壊した後にどんな世界をつくる考えでいるのか。トランプ氏の場当たり的で一貫性に欠ける言動からは、そんなビジョンはうかがえない。
 責任あるリーダーの座から降りた米国。この大変動を乗り切るために日本も選択肢をできるだけ増やして外交政策の可能性を広げる必要がある』


 ここからはさて僕の今日の文章になるが、こういう世界史急変の根っこを考えると、さらに深刻な気分になっていた。まず、この社説中にすらあったこんな文章。
『独善と身勝手で米国を孤立に追いやるトランプ氏。それでも支持率は持ち直し四割台に乗った』
 こんなトランプにアメリカ国民の支持が一定数かつかなり熱烈に存在しているのである。日本をはるかに凌駕した不安定労働者らアメリカ国民の政治を見る目先をば、トランプが一定捉えているということだろう。このことから、1929年の世界大恐慌以降の世界狂乱期に「世界に冠たるドイツ」を掲げて急台頭してきたヒトラーの、その栄光と瓦解との歴史が思い出されてならない。人類や世界史が何も見えていないポピュリズム権力が勃興して人類を蹂躙した上に、まるで世界と心中しかけたような出来事であった。

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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-06-16 19:08:04
支持率で言えば、メルケルもトランプも、そんなに変わらなくて、イギリス、フランスの方が、危うい感じ。
現実に、アメリカ経済、悪くないし。
イタリア、スペインは、政権コケたし。
アメリカが孤立しているってよりは、信頼できないヨーロッパから、距離を置いただけな気がする。
トランプ、一対一の交渉しか、気にしてないよ。
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「大小ごちゃごちゃ思考」の見本 (文科系)
2018-06-17 10:51:16
 支持率なんて一時のもの。それもアメリカという国だけのちっぽけなこと。いくつかの政権が転けるのさえ、一時のもの。対するに、この新聞記事が述べているのは、戦後世界秩序の破壊という、戦後全期間や世界に関わること。
 馬鹿は、「ここの今」しか語れないというか、それと「世界の長期に影響すること」が区別できないというか、とにかく大小ごちゃごちゃで整理がつかぬ頭脳ね。
 たとえば君でも、これはわかるでしょ。トランプの今の人気と、アメリカのGDPの4倍もある累積国家赤字とどちらが後世に長く影響する重大問題であるか。そんな国家財政で、年間60兆円の軍事費という問題もね。こんなに、使い続けることができると思う? こんなアメリカについていくだけの安倍だから、心中するようなもんだと言ってきたわけだ。
 
 
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トランプが分岐点? (文科系)
2018-06-19 09:43:34
 トランプの言動がどうして世界史の分岐点になるのか? その事に今一歩言及してみたい。ここに散々書いてきた事だが。

①アメリカの国家累積赤字が、GDPの4倍を超えている。貿易は大変な赤字で、家計も大赤字。今の軍事費60兆円はもはやじり貧の運命にある。こうさせたのが、長期的な経済沈滞に似合わない家計の贅沢と、国の贅沢。例えば、アフガン・イラク戦争。

②だからこそトランプは保護貿易主義とか、「海外遠征はしない」とかを言って大統領になれたのである。これと矛盾する言動は単なる強がりにしか過ぎない。もうイラク戦争のようなことは到底不可能なのだ。こうして彼の言動には、強がりの嘘とホントがある。

③こういう国の苦しみから、今の外交現状が起こった。国連総会やG20からはすっかり嫌われたから、中国はもちろんロシアさえ除いたG7中心出来たのに、そのG7からも今や全く孤立したというわけだ。これらすべて、国の困難から来るわがまま、利己主義、イラク戦争などの乱暴狼藉が過ぎたからだが、その上トランプの下劣な人間性まで安倍はともかく、多の首脳には十二分に見抜かれているはずだ。あまりにもアメリカ的なマッチョ主義からくるやの男尊女卑。口から出任せの嘘の常習犯。などなどである。

④新自由主義経済の慢性的需要不足、不況の中では、好き嫌いは置いておいて黒字国が尊重されざるを得ない。西欧などが中国に近づくのはそのためだ。一帯一路は、世界の金技術を集めて成功し続けるだろう。僕は今の中国が嫌いであるが、これは食っていくという意味で背に腹は替えられない必然である。
 
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