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友人の初句集から  文科系

2016年01月23日 13時45分33秒 | 文芸作品
 40年来の友人から初句集が送られてきた。A五版ハードカバー、250ページほど。告げられた費用が信じられないほどの、堂々たる出版である。H・Sさんと言う僕より6歳年下の女性だが、知らぬ間に中部日本俳句作家会会員になり、東海地方の現代俳句協会幹部になっていた。
 なかなか多面的な作品傾向をお持ちの方で、そこに句の深さも垣間見られる思いがした。勝手にジャンルを付けて、気に入った句をご紹介してみたい。俳句は全くやらない素人とて、つらつらご笑覧をよろしく。出来れば批評もあれば嬉しいです。


・故郷、家族に関わって

 薔薇垣の家捨ててきて二十年
 柩打つ冷たき石を持たさるる
 虹かけて島を時雨の去りにけり
 母の待つおほつごもりの峠越ゆ
 分け入れば父のゐさうな芒原
 母の畑太く短く葱育つ
 さくらさくら一人になってしまひけり
 半円のままで始まる盆踊

・動植物に
 
 羽抜鶏笑ひの中を走り抜く
 慎重に首出す亀や春の風
 コスモスを風の中から剪りにけり
 鱧と鱧咬みつきあうて計らるる

・保母職に関わる子どもの句
 にっこりと笑うて覚めし昼寝の子
 立ち小便覚えたる子や山笑ふ
 遠足の子につぎつぎと牛鳴けり

・心象風景
 切りし指秋思の口に含みけり
 覗きたる机の下に秋の闇
 不機嫌なりすとんすとんと大根切り
 牛小屋の柱に護符や秋暑し


 なお、上記それぞれのジャンル内の歌の順番は、出来た年代順に並んでいます。平成2年から26年までとありました。
 
 
コメント (3)
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