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随筆紹介  「二重跳び」   文科系

2019年05月27日 22時50分50秒 | 文芸作品
 随筆 二重跳び   K・Kさんの作品です

 机の上に夫の走り書きのメモを見つけた。内容は小学生の孫娘が二重跳びをできるようになって「おじいちゃん、二重跳びできる?」、挑戦的に言われた時のこと。「おーし、三重跳びでも見せたるぞ」自信満々で縄を持った。ところが、足に引っ掛かり一重跳びさえ出来ない。「おじいちゃん、縄跳びできないんだ」孫娘のびっくりしたような小ばかにしたような言葉にショック。リベンジするか、大人しく引き下がるか、の話だった。
 もうすぐ後期高齢者なのだから、縄跳びが出来なくても仕方ないと思う。血圧は高いし腰痛治療中だ。だが本人は「毎日一万歩歩いている。日曜日は町内のソフトボールもやっているのに」、納得できないらしい。どうにもおさまらない気持ちを走り書きしたらしい。しばらくメモを見ていると、本人には悪いが面白く思えてきた。夫が「暮らしの作文」を楽しみに読んでいるのを思い出し、「出してみたら」勧めるが、「こんなのが載るわけがない」、取り合わない。
 ところが、少しして「これで判るかな?」、自信なげに書き直した文章を見せた。いつも自信ありの夫の遠慮がちの姿は珍しい。よし、投稿初挑戦だ! 一週間後、「楽しい作品ですね」、採用の連絡があった。「恥ずかしい話です」、夫は電話口で照れている。「思いが活字になって、皆に伝わるのはワクワクするな」、夫は呟いた。


(文科系からの注ーーK・Kさんは、中日新聞「くらしの作文」の常連採用者のようなお方。今回は初めてお連れ合いさんに投稿を勧めて、見事採用という作品でした。末尾の「思いが活字になって、皆に伝わるのはワクワクするな」で、文芸サークルというものの原点を教えられた思いでした)

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