今朝の朝日新聞7面オピニオン「記者解説」欄に、耳寄りの記事があった。朝日を取っていない家が多い中部地方の方々に、この内容を紹介したいと思い立った。「脱炭素の原動力」と見出しされた記事の主内容はこういうもの。
『世界の脱炭素の潮流を作った立役者は、前英中央銀行総裁ら欧米の金融界だった』
この前総裁なる人は、マーク・カーニーと言い、ゴールドマン・サックスの出身で、作春「グラスゴー金融同盟」なるものを設立、こんな事をしているのだそうだ。
『この有志同盟は45カ国から銀行や保険会社、資産運用会社など450機関が参加。世界中の投資資金を脱炭素に集中させるための運動を進めようとしている』
『「脱炭素のために今後30年間で100兆ドルの投融資が可能」と発表している』
欧米の金融業界と言えば、過去の彼らに僕が思い浮かぶのはこんな事しかない。日本の住宅バブルを弾けさせて現在の貧乏国ヘとスタートさせたのも、アジア通貨危機でタイや韓国などアジア経済を一時どん底に落とし込んだのも、100年に一度の世界経済危機リーマンショックをもたらしたことなどを通じて米日現在の超格差をもたらしたのも、彼らであると。そんな彼らが今、SDGの立役者??
さて、ここにも世界の二つの道があると思う。世界のSDG実践が世界各国、世界庶民にさらなる格差をもたらすものになっていくのか、あるいは全く逆に世界の底辺の人々にもこの経営の富自身を行き渡らせることができていくのか。ちなみに、英米金融が後者の道を国際民主主義的に成功させることができなければ、残念ながら、中国型の国家経営に対抗できなくなっていくのではないか。これもちなみに、現在のコロナ下世界で、社会の底辺にこそブラジルやインド並みに死者が多いなどもっとも庶民が苦しんでいる国家が、アメリカである。このアメリカは、沖縄を通じて日本にもどんどんコロナを持ち込んでしまった。こういう国を作った世界金融に世界のSDG運営を任せておいて、はたして良いのだろうか??
「グラスゴー金融同盟」、この動きはずっと注意深く観ていきたいものだ。日本が世界に誇る経済学者・故森嶋通夫の言葉を借りれば、このSDGは現在世界最大の政策的イノベーションとも言えるのだから。