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なぜ今、中国脅威論?  落石

2007年03月19日 19時30分53秒 | Weblog
日本、アメリカ、豪州などで中国の脅威ということが言われるようになりました。
日本は中国の省のひとつになるだろう、と言った自民党の高官もいます。
こうした言説の背景について考えてみました。


中国の経済大国への道

中国は世界中からお金を集めて、工場を建設、工業製品の輸出によって
経済発展の道を進んでいます。
日本、韓国、マレーシア、タイが歩んだ道です。
そして現時点では、さまざまな矛盾を拡大させながらも、成功しています。
日本の中国(アジアを含む)との貿易は、完全にアメリカを凌いでいます。

日本産業の空洞化が第一歩

こうした事態はいつから始まったのか?
ひとつの転換点は、プラザ合意にあるのではないでしょうか?
日本の工業製品の輸出攻勢に対抗するためにアメリカの採った金融面での反撃です。
円高によって、日本からのアメリカの借金は激減しました。
また、日本の輸出産業は大打撃を受けました。
この危機を脱するために、日本の工場はアジアに移転していきました。
いまも続いています。

アジアの工業化が進む

日本から工場が移転してきたアジアは、経済発展を続けました。
アメリカ・日本・アセアンという経済循環が生れ、
現在のアセアン経済圏が誕生していきました。
ソビエトの崩壊後、中国は、アジア諸国の成功に刺激され、同じ道を進みました。
経済的にみれば、アジアはひとつの経済圏として、
ヨーロッパ、アメリカに肩を並べるほどに成長してきました。

古くて新しい問題 アジア農業の衰退

労働力の安いアジアへの進出は、日本国内の給料を下げました。
日本国内のアジア化です。これは日本の経済構造を輸出依存からの脱却を妨げたままです。
もうひとつ、農業問題です。日本の国内で経済成長が続いた時に起こったこと。
農業の衰退です。出稼ぎ、労働災害、三ちゃん農業・・・
この問題がアジア全体に広がっています。
農民が都会に流れでて、スラムをつくる。
(日本はこうした事態になりませんでした。自民党が農村に基盤を置いたため、
手厚い保護を与えたからです。)
しかしアジアのなかには、こうした政策をとる国は少なく
新しい貧困層が生まれ、治安が悪化しています。
(テロというレッテルを貼って対応しようとしています。)

環境問題のアジア化

日本の経済成長が生み出した鬼っ子に環境問題があります。
これは農村の衰退と同時に起こってきました。
第一次産業を食い物にして工業化が行われたからです。
この環境問題もアジア全体にひろがっています。
とくに中国の水問題は深刻で、21世紀の世界経済に暗い影を落としています。

中国は経済大国に?

こうした問題を含みながら、アジアは経済発展をすすめています。
中国は、近い将来、大国になります。
そこでアメリカとの間で摩擦が激しさを増しそうです。
一番、大きな経済問題は元の切り上げ。
いずれ日本と同じ様に、変動相場へと変わっていきます。
中国はアメリカと金融面で対決することになります。

円独立に失敗した日本

日本も経済大国となった時、ドル経済からの独立を目指しました。
しかし、これはアメリカの強硬な反対で失敗。
(ヨーロッパはユーロの独立を目指し、実現。)
日本は、経済でアメリカに勝っていても実現しなかったのは、
軍事・政治でアメリカに従属しているからです。
とくに安全保障面での従属は致命的です。

中国の軍事大国化の背景

中国は日本の失敗から学んでいますから、十分に対抗策を考えています。
とくに軍事面でアメリカに対抗できる力を持つことは大きな目標でしょう。
こうした動きに一番神経を尖らせているのがアメリカです。
(アメリカの戦略は軍事同盟と自由貿易協定です。
それもアメリカと各国とは一対一の関係です。
強いアメリカにとって有利ですから。)
元が独立の経済圏となってはヨーロッパに二の舞ですから。

2つの道

経済の成功を背景に、アセアンは安全保障の面でも新しい安全保障への道を歩み始めています。
これに中国も加わって東南アジアでの軍事緊張は著しく緩和されました。
南沙諸島をめぐる軍事紛争は影をひそめています。
中国をふくめて経済協力による新しい開発へと進んでいきそうです。
このアセアンが中心となって東アジア共同体構想が生れています。
ヨーロッパに学ぼうということです。
アジアの南のほうでは、新しい時代が始まっています。
一方、アメリカは、これを阻止しようとしています。
中国の軍事大国化という言説は、こうした経済構造を背景に持っています。
日本政府はアメリカと、同じ立場に立っているようです。
国内の中国脅威論は、まさにアメリカの論理にそったものです。

21世紀の分かれ道

近い将来、アジアは世界一の経済圏に成長する可能性が大きいでしょう。
その時、ヨーロッパのような共同体方式なのか?
アメリカ中心のこれまでの道を歩むのか?
あるいは、これらとは違った道なのか?
それはまだ分かりません。
それは第一に中国、第二に日本が鍵を握っているように思えます。

新しいアジアの原動力は?

アジアは2種類の国家があります。
ひとつは、アセアン、中国、韓国など植民地を体験した国々。
もう一方は、植民地をもつ側に立った国、日本。
どちらがアジアの未来をつくる原動力になれるのでしょうか?



コメント (2)
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