おにいさん、いい儲け話があるよ。

　アメリカは本当に悪い国だ。戦争で人材も武器も奪っておいて。守ってやるからと、次々無理な要求をする。日米繊維摩擦から始まって、鉄鋼、自動車、パソコンとカラーテレビ、半導体。スーパー３０１条で農産品輸入拡大、牛肉・オレンジ自由化。カネをせびるだけなら、まだいいよ。技術まで流出させるんだから。

　そうやって自分の国を維持してきたが、今度は中国だ。同盟国じゃないから、脅しても無理。でも中国は得意技が、ひとのテクニックを盗む事だから、先端技術を渡さなきゃいい。

　そうやって二人で争っているうちに、日本はスパコン「富岳」で世界一を獲った。２年続いた王座は、当面揺るがないという。漁夫の利ってやつだ。

　富岳のＣＰＵに採用されたＳＩＭＤなど日本の伝統的な半導体テクノロジーは今、よみがえりつつあるそうだ。
　今後はこうした基礎的な高度技術をクラウド・サーバーやＩＯＴ端末、自動運転車など次世代製品に広げていくことで、ハイテク・ジャパンの復活は単なる希望的観測ではなくなってきた。という。

　追い風も吹いている。米国ではＧＡＦＡに対して「反トラスト法」を発動して絶大な市場独占力を奪い、新興勢力の環境を整えている。
　中国もアリババの例があるように、共産党指導者に逆らうと規制がきつくなる。
　本当だとすれば、これほど頼もしい話は久しぶりに聞く。富岳が世界一を獲った背景には、そんなカラクリがあったのかいな。

　日本も考えた方がいいよ。あまり日本語の上手なガイジンを信用するのも、どうかと思うな。テレビを見れば、いかにも親日なガイジンが一杯出とる。中には情報を本国に送っているヤツも居るかも知らん。

　肝心な情報だけは、秘密にしておくべきだと思うな。ディブ・スペクターは、オレは買ってる。震災の時、逃げださなかったやつは、信用できるかも知らん。
　
　
　韓国にも敗れた「日の丸半導体」が、これから世界一に返り咲く意外なシナリオ