県道28号を遡って行くと、岨谷峡のあたりまでは除雪した道幅も十分で走りやすい。しかし秋田市の最奥・鵜養(うやしない)までは、山の間を抜ける恰好になる。
少し風が吹くだけで、道路に出来たわだちが隠れてしまい、道を見失う。前を車が1台走ってなければ、不安で戻っていたかも知れない。
市街地はうっすら降っただけだが、こっちは違う。集落内は四駆でなければ進めない。トラクターの後ろにショベルをセットして除雪している人がいた。
上流の方から側溝に雪が流れて来る。まめに雪を流しているお宅は、家の前が綺麗だ。ここだけ降ってないように見える。
わざわざここまで見に来る人間は、私ぐらいのものだろう。
トラクターのおじさんは無言で私の車が通過できるように、脇に寄って待っていてくれた。物好きにも優しい集落、それが鵜養だ。