この話をどうしようか、迷いました。二日経っても、心臓が恐怖を覚えていて、しっくり来ません。このあと、散歩にでも行って来ます。
ちょうど「いい夫婦の日」22日、金曜日のことです。夕ご飯の時間になり、妻が2階まで迎えに来ました。しかしすでにその時、顔色が悪く、のどに何かが詰まっていたのです。よろけるように階段を降り、台所のシンクに顔を埋め、苦しがっています。
前に2度、こういうことがありました。思いっきり背中を叩いて、前は何とか済みました。吐き出すのではなく、詰まったモノを飲み込んで、事態を回避したのです。これが多分、普通で無い出来事なんだと思います。救急救命士の佐藤さんが、病院に着いてから、あとで聴きたいことがあると言って、オレのケータイを確認しました。何かが、レアなケースだと確かおっしゃってました。
今回は収まらず、顔が青くなり、床に崩れ落ちました。あの顔が今。トラウマになっています。寝る時、何度も繰り返し、あの場面を回想します。
これは無理だと思い、119番に電話しました。手近にあった家電(いえでん)から掛けました。ケータイを取りに行く時間を考えたのです。
相手の方は、背中をバンバン叩けと言います。電話を繋いだまま、2mほどの妻に戻り、また叩きました。どういうわけか、少し改善の様子が見えました。顔色が戻ってきたぞ、頑張れ、と声を掛けました。
起き上がって、大丈夫だと妻が言いました。一度切れた電話が、相手から掛かって来てたので、もう大丈夫そうだと伝えました。
それでも救急車は向かっているし、状況確認のため観察する必要があるみたいな事を言われました。それで出たんですか、イチジクの甘露煮? いえ、飲み込みました。
ここからが大事なところです。病院に行って、レントゲンなり撮ってもらう必要があるということで、厚生医療センターに向かうことになりました。
妻は大勢から抱えられて車に乗っています。そこで必要な物を持って、脇に乗れと言われました。混乱しました。何が必要なのか、さっぱり浮かびません。靴、上履き、着替え(寒いから)そっか。オロオロ。何に入れよう、あった買い物の袋。カネも掛かる。えっ、火の始末。ストーブ消すのか。戸締まりも?普段カギをあまり掛けないので、渋い事、限りなし。あたふた、あたふた。
救急車はすぐに出発しませんでした。かなり長く感じました。その間、妻がのどが渇いたと言ってます。何か飲み物を飲むとダメですか、と聞こうと思っても、相手が連絡に忙しくて、相手になってくれません。オレも実は水分が欲しくて、ドア開けて、戻ろうかと思ったぐらいです。
じっと我慢の時間がありました。あれが2番目に辛かったです。
病院に着いてからは。紙一枚書いただけですが。健康保険証と言われて、ごそごそ妻の財布を探し、出したものが診察券でした。あっ、すみません。あった。良かった。
帰りに呼んだタクシーの中で言いました。「いい予行演習になった」
タクシーの運ちゃんが救急車で来たのか聞きました。その電話は救急から直通で掛かる電話で、2業者から選べます。用意のいいこって。
この日、クマが出て。自衛隊の向かいのサンデーといとくの間の駐車場で発見され。上新城方面へ帰っていったというニュースがありました。つまり今、通ってる当たりを通過していったのです。車内はこの話で一瞬だけ盛り上がりました。
散歩して来ました。気分が良くなったので、UPしましょう。今夜は楽しみもあることだし。TBSは映らないので、二日寂しい思いをしました。
現物は無いので、テーブルに残ったうちから一個。イチジクの甘露煮。包んでお医者さんに見せたはずです。恥ずかしいったら、ありゃしない。どうなったんだろ、あの一個。美味しいんですよ、とても。