松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

かば焼きじゃなくて、樺細工。奥の深い芸術。

2016-02-02 16:14:50 | 日記・エッセイ・コラム

 アメリカの大統領予備選の様子を、さも当たり前のように報道するテレビに嫌悪感を覚えます。あれが当たり前の世の中は、おかしいです。半年にわたって、相手をけなすCMを流し、そのために金を使う。金が尽きた方が負け。オバマは市民の盛り上がりで、少しづつ大勢から集めることが出来ましたが、その人たちは今でも支持しているのでしょうか。あれはただのお祭りですね。

 

 樺細工が不当な扱いを受けているのが気になっています。「大館曲げわっぱ」のように中国製粗悪コピーが横行している、という話ではありませんが、これは鑑賞に堪えるいい物です。それが売っているお店の人も分かっていません。おそらくこのことに気が付いているのは、日本で私だけかも知れません。

 この景色。なんとか立体感を出そうと、頑張ってみました。平行法、交差法を駆使して3Dでご覧になって下さい。でも自分でやってみたら、立体感が出ていません。指だけが、奥行きを感じさせます。本当はこのわずか0.2~0.3mmの山桜の皮に、3Dがあるのです。節のような模様の周りの背景。これが1cm程、引っ込んで見えます。さらに左右に動かすと、陰影が動いて奥行きのある世界が広がります。その「けしき」を楽しめるのです。画面を通して伝わらないのが、もどかしいです。

 このことを角館の民芸品店2~3か所で確かめました。誰も知りませんでした。ということは作者自体も、意図して作っているとは思えません。実際、売っている茶筒や丸いものには、このけしきはありません。無くても民芸として立派ですが、奥行きがあることに気が付いて欲しいです。そしてこの現象は自然光の下でしか発現しません。蛍光灯下では現れません。

 蛇足になりますが樺細工は、「ふだんづかい」の製品です。触っていないと、錆びてしまいます。その良さが分かる、ほったらかしの製品がこれです。しっとり感がなく、白茶けています。

 手のひらから脂分が浸み込んで初めて、その良さが浮き出てきます。長持ちします。

 またまた蛇足ですが、友人が送ってくれた特注の眼鏡ホルダーは、さわっているうち糊が剥がれてしまいました。それがかえって触りやすくなりました。自分だけ楽しむには、もったいない芸術品だと思います。

コメント
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