一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

オープンハウス 見えない所を見てほしい。

2016年11月11日 | 下保内の住宅

11/26(土)・27(日) オープンハウスを開催します

三条市下保内「下保内の住宅」です。

予約は不要です。どなたでも見学できます。
詳細はまた後日アップしますね~


敷地の高低差を利用し、低く抑えたスキップフロアの住まいです。
外壁は焼杉。



屋根が南向きの大屋根形状。
本当はこの屋根形状だと、屋根が南側を大きく覆うので、南の窓はあまり多くはとれなくなります

・・・なのですが、敷地の高低差を活かしてちゃんと間取りを工夫すれば、ご覧の通り
正面南向きのサッシがたっぷり確保できています。

その大開口サッシからはウッドデッキが玄関を経由してグルッと連続しています。
ちょっと個性的な濡れ縁です。楽しそうでしょ


ロケーションは、向かいには山。そしてご近所はほとんどが造園屋さん。



つまり、どの窓から外を見ても緑がたくさん
こちらのお庭工事はしばらく先の予定ですが、全然寂しくなんかありません

LDKは大屋根構造の大空間。



壁は内装用モイス、天井は構造用合板、床は無垢のパイン。
均一なパターンでできている壁紙や新建材とは印象が大きく異なります。

全てリアルな素材なので一枚一枚全て柄(?)が違う。
質感もテカリがなくマットな落ち着いた雰囲気。

さらに、なんといっても表面的に化粧した材料とは違い
汚れや傷なんかは紙ヤスリでサッと削ればOK。
超いいです

高低差を利用した床下収納もシッカリチャッカリ確保してあったり、




それから、リビングにダイレクトゲインを期待した土間があったり、薪ストーブも。
などなど、けっこう見所がたくさんです


でも本当は・・・
見学会で見えない所を見てほしい (見えないのだけれど)
弊社にとってオープンハウスでは「その壁」があります。

間取りやデザインなどお褒め頂いたり関心して頂いたりと、それはそれですごくうれしいのです。
でも、本当に自慢したいのは、見えなくなる所の方がしっかり設計して、しっかり作っている。って事なんです。

でも、そこは見えない しかたがないです

それでも、見ていただく価値は十分にあります。
皆さん、是非見に来て下さいね~




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これが事実。でも一般の方はそうは思っていない

2016年11月09日 | 栄町の住宅

新しい物件が着工しています。
[栄町の住宅]です。

すでに基礎コンクリートの打設まで進んでいます。



こちらの施主様は、なかなかの構造マニア
ノンプロですが新築するにあたり独学で知識を高めた方。
そこらへんの建築士さんよりは、はるかに深く構造を理解しておられます。

当初はお会いするたびに質問攻めにも合っていました
しかも、相当に奥の深い質問です。

でも、それが私には意外と心地よかったりもして
一般の方にはなかなか(全く?)通じない「弊社はここまで構造にこだわっています」的な話ができますし
自分でも色々と再確認ができて、とてもためになります。

最近は質問も減って少しさびしくもありますが・・・

構造は奥が深いです。たとえ一級建築士でも知らない事がたくさんです。
そもそも、構造計算までできる建築士がほんの一握りしかいないという事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

構造は、一般の方にはなおさら理解するには難しい分野です。
基礎工事1つを見てもとってみても、コンクリート強度から配筋等々話せばきりがない。

例えば、基礎のコンクリート強度を21N/mm2で構造計算した場合、
品質のばらつきを考慮して3N/mm2を割り増し
さらに気温が低い時期には強度が出るまで時間がかかるので、温度補正を3~6N/mm2足して・・・ 
つまりこの時期なら、少なくても27~30N/mm2以上で打設する事になる計算に。

でも、そもそも元となるコンクリート強度をいくつで構造計算したかのか?
木造2階建て程度の規模の基礎のほとんどが、その構造計算をしていないという事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

基礎形状や配筋がどんなに怪し~い基礎でも図面がそうなっていれば、現場検査は合格。という事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

その図面が間違っているか? それをチェックする仕組みがないという事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

※ただし
長期優良住宅の認定など評価機関のチェックを受ける場合は、図面や構造計算のチェックがあります。
(重箱の隅までいやなほどつつかれますね
でも、長期優良住宅【相当】は、このチェックはされていないという事です。要注意

そもそも、
一番大切な構造がほぼ決まってしまう間取り。
その間取りを建築士の資格のない人が考えていることが普通になっている。という事実。
(でも一般の方はそうは思っていない

などなど、業界の常識は一般の方の常識とは大きく異なります。
昨今の様々な建設業界関係のニュースが、スキャンダル的に取上げられるのは
この常識の差異が、よりニュースを大きなものにしているのかもしれませんね。




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接合部の「強さ」と「余裕」

2016年11月03日 | 田上の住宅

田上の住宅が上棟となりました



弊社の構造は基本的に㈱タツミのテックワン工法を採用しています。
(一部特殊な構造で対応できない場合は別工法となります)

テックワンのメリットは、「強さ」 これに尽きます 
構造の要となる接合部。ここを金物で接合します。

施工している動画をご覧ください↓




一般的な在来工法では、
加工しあった木と木の接合が基本。

必要な箇所は金物で補強します。

工法はそれぞれ一長一短ありますが、接合部の「強さ」でいったら圧倒的に前者。
金物耐力に相当な「余裕」があります

たとえば、動画の仕様の金物だと、
在来工法の蟻掛け+羽子板金物と比較しても3倍以上の耐力があります。
この部分にここまでの耐力は必要ないけど、簡単な施工で楽に「余裕」がでます。

弊社では、全棟に許容応力度計算を行っていますので
計算結果により各接合部ごとに必要な耐力が出てきます。
それを元にたくさんあるテックワン金物の中から必要耐力以上の金物を選択しているのです。

一般的な在来工法より、工事費は高くなりますが
安心安全につながる部分ですのでおすすめしています



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