一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

シンプルな構造で、安心安全な住まい

2015年08月01日 | コの字プランの白い家
このたび着工した[コの字プランの白い家]は、現在基礎工事中です。

配筋工事が完了し、2つの機関の検査をパス。








基礎の通りがとてもシンプル。すごく整然とした区画です。

と言うことは、この上に建つ木軸もシンプルな構造になります。間取り自体がシンプルなんですね。





シンプルな構造は安定感があり、事故(不具合)が起きにくくなります。

構造軸(柱)が、シンプルで整然と配置されていれば、屋根や2階床の垂直荷重が、素直に地盤まで流れるので、

2階の床に不陸ができた 建具が開きにくくなった などの事故は起こりにくくなります。



また、柱が整然と配置されていれば、耐力壁もシンプルにバランスよくなるので

地震時の水平荷重も、きれいに力が流れ、地震時に耐力壁が最大限の効果を発揮します。



逆に複雑な間取りの家は、構造が複雑になります。 よく言われるのが、1階柱と2階柱の位置があっていない場合。

いわゆる直下率が悪い家は、事故が圧倒的に多くなります。 

つまり、間取り重視で設計した家は事故が多く 地震に耐える性能も落ちている。ということです。

参考→ http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20090727/534289/



これは、「まれ」な例ではなく「量産」されているのです。

外観を見て、1階窓と2階窓が半ががりにズレていたり、不自然に凹凸の多い家は、要注意ですね



構造を熟知していない担当者が、自由設計をうたい文句に、自由にお施主様と打合せして間取りを決め、

そのあとで、その間取りに無理やりにでも構造を合わせている。 それでは事故はふえるはず。


特に「ローコストでデザイン住宅」や「ローコストで自由設計」などを売りにしている建築会社は、

構造を熟知した担当者にプランを検討してもらえる事はまず無い。

構造のわかる建築士が在籍していても、彼はプランが決定した後の実施設計が主な仕事。



間取り、プランを検討する時は、構造も一緒に検討しなくてはならないのですが、

いや、むしろ構造を先行で考え、そこに間取りを合わせる手法が安心安全です。

実は、鉄骨やRCの建物は、構造先行でプランされています。 しかし木造となるとなぜか・・・



木造は自由度が高いから・・・と、間取り優先で設計されがち。木造はけっして自由ではありません。

むしろ、架構スパンや耐力壁、水平構面を考えると、鉄骨やRCよりも、ウンと制限されます。



使い勝手や意匠も大事ですが、安心安全な構造が二の次になってしまってはいけません。

まずは、生命と健康、財産の保護を図りましょう。(建築基準法・第一条)




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