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黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

愛とロマンの世界 「竹久夢二と大正ロマン展」

2017-03-10 | 日記

行橋市「増田美術館」で開館12周年記念の企画展に行って来た。

 まず この企画展は特別講演会がセットされており事前に申し込みの

上、招待状を頂いた。

  

 今朝の朝日新聞京築版にも関連の記事が掲載 

  

 本日 午前11:00 特別公演開演

 大牟田在住の「足立敏昭氏」

 現在、竹久夢二の研究ではこれほどの方は他にないとの司会者からの紹介。

 会場はいつもは陶磁器の展示用となっている場所で満員の盛況でした。

  登場を待つ足立氏 

 

  早速、講演が始まり 渡された氏の手書き資料

 大正7年 夢二は九州を旅した! あなたも夢二の道を辿りませんか…

  

 

 

  父の仕事で一家は九州へ

  夢二16歳の1年を過ごした「枝光」

  「博多」の天神にもゆかりが それは、筑豊の石炭王 井上伝衛門の妻

   詩人

「柳原白蓮」が博多の別荘に息子を連れてくる…夢二は会いに行った。

 

  唐津 意外な箇所です。

  近くに「近松寺(きんしょうじ)」

  かの 浄瑠璃で有名な近松門左衛門の墓があり

   遺髪があるのです。

   近松が、子供の頃 この寺で修業をしたと伝えられている。

    *江戸の文献にはあるが…真偽のほどは?

   駅のすぐ近くで ここには 野口雨情、白秋の墓も。

 

  旅は長崎、雲仙、島原へと…

  そして「柳川」 夢二が敬愛した「北原白秋」の故郷です。

  そして 「久留米」

  ここにも夢二が敬愛した「青木繁」の故郷へ。

   青木繁といえば

   「わだつみのいろこの宮」

   夢二はある展覧会で この絵を見て「何かを感じた」

      ( 石橋美術館の至宝 )

        

      そして 青木繁の あまりにも有名な「海の幸」

         

     この時代ならば、こんな絵を見れば 衝撃 受けますよね、誰だって。

      凄い迫力ですよ…

 

   夢二の「九州ロマンティック街道」  これが 足立さん流

     you  &  me  だ、そうだ。

   

  足立さんの話に、「詩人になりたかった」夢二でしたが

   「文字の変わりに 絵の形式で詩を画いた」と述べ

   「形や色の奥に秘められた何者かを掴みたい」 

   街々にどよめる あの濁った音響を聞きとりたい

   夜の薄明かりが描きたい。と。

   ご存知のように 夢二の絵は 素人でも描けそうな…

   上手な絵だね、とか、 凄い写実的だね なんて 言葉は出ない。

   なんとなく ボワーっとしているところが なんか不思議ね。

   「絵」を理解する力が ないと、彼の言う、「内面」は理解できないのかも。

   まぁ、いいや、とにかく 絵を楽しみましょう。

   会場では 撮影できませんから、 (パンフレット、絵の本、シオリ などから)

     

    彼の名作 「黒船屋」

   

   この絵を見て 何か気がつきません?

   彼の独特の描き方がここに… 小さな顔に比較して 猫を抱いている両手

   どうですか 異常に 大きく描かれていると思いません。

    そして、また 彼がこの画家についての研究も…

   誰あろう、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」

       と言えば この絵 「モナリザ」  です。

   この絵を見て下さい。 腕の置き方を… 上の夢二の絵

   美人の手の「組み方」  右と左 の違い… 表現も 手がかなり大きく。

   「自分の描きたいものを、書きたい画材を用いて、描きたいようにしか

     描かなかった」 こんな画家は他に例がないのでしょうね。

    ダ・ヴィンチだけでなく 江戸時代の「浮世絵」にも精通していた。

    美人の表現は ここ浮世絵からなのだ。

    マネを 自分流に消化し 近代的な、夢二流に置き換えての表現なのだと。

       美人の構え… 肩、 首、手の置き方 

     

     

     夢二の美人画は大正期に日本の青年層を魅了した。

     たんなる美人画というより 社会的な背景をもっている風俗画

     としての生活が強いと言われています。

    つまり、「生の女性風俗」

     現実的な物ではなく心の美人画なのです。

    これこそ、自由な個性をもって描いた美人画。 だと私も思います。

 

    夢二は アメリカやヨーロッパに 行きたかった…しかし、なかなか機会が。

    そして、昭和6年に ついに アメリカ・ヨーロッパ旅行を。

    絵を描きながら、旅をしたい という夢。

   でも、アメリカでの展示会では絵は売れませんでした。

   そして、ヨーロッパへ ドイツ、ウイーン、パリ、ジュネーブ と巡り。

 

    外国の女性に着物を着せて描いた絵

     

   

    ピカソの絵も 53枚も見たと記録に。

    そして、ピカソについて後で書くと…しかし、帰国後、

    結核で若くして終わった。 若い! 49歳だった。

 

    彼は、モデルがいなかったら 描けなかった画家だそうです。

    結婚は1度 妻 たまき そして モデルの「彦乃」「お葉」

            

     妻 たまき    夢二と彦乃         お葉(およう)

     彦乃、お葉 ポーズも 絵と同じだね ちょっと首をかしげて…

     この二人がいなかったら…夢二の絵は なかった…

 

    彼は多彩な芸術家 絵だけではない。

    日本画、水墨画、油彩、水彩、素描、版画、ポスター、

    楽譜・雑誌の表紙 封筒のデザインまで 多種多様。

    近代日本では稀なタイプの芸術家ではないでしょうか。

   その 一部をご覧ください。

       デパート「三越」のポスター

    銀座でフルーツと言えば「千疋屋」 これも 夢二が。

     雑誌「婦人クラブ」の表紙 

    珍しい「封筒」 千代紙 

 

    楽譜「宵町草」にも このほか 20曲以上にもデザインを。

    この1枚が あまりにも有名になり過ぎて…

     「待てど暮らせど 来ぬ人を~

     これ 彼の自筆

        

    これが 楽譜の表紙

   

 

     また 彼は 「北原白秋」の詩が好きだった… 

   

 

    なんだか懐かしい!…これが「大正ロマン」?

    でも凄いですね 彼のそこまでやるか…そんな迫力さえも伝わってきます。

     近代グラフィック・デアインの草分けの一人ともいえる。 だそうです。

    なんとなくボワーっとした夢二の絵 だと、思っていましたが。

    今、つかるみにはまったような 感じですね。

 

    「絵」は 人の心を癒してくれます。

     どこがいいの? この絵はわからない…

     でも、じっと見ていれば 伝わってきますよ

     だから 機会があれば 

     気分がすぐれないようなときには 美術館へ足を向けてみたら

     きっと、素敵な出会いが待っていますから。

     この企画展 4月2日まで 行橋市 「増田美術館」で。

 

     

 

    

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続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。