足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

電気自動車テスラ

2020-09-09 16:30:38 | 投資戦略

新規公開した電気自動車テスラ(TSLA)が21.06%も急落した。2012年1月13日の-19.3%以来の暴落である。1週間前の高値$498.32からは、株式分割を考慮すると-33.7%の下落である。

今回の下落のきっかけは50億ドルの株式分割(5対1)と大株主イーロン・マスクの兄弟の売却である。大株主の売却が引き金になった。

最近の超人気株も一連の大株主の売却が加わり1日で強気人気が反転した。いまひとつの悪材料は期待されたS&P500の構成銘柄の組み換えから外れたからである。最近の株価の上昇のなかには、銘柄のファンダメンタルの好材料のほかに、大株主の買い増しに大きな関心が集まる。

「テスラのS&P500構成銘柄入りは時間の問題だ。次回の入れ替えの第一候補になった。タイミングは何時はいるかの問題になった」というのがウォール街の一致した観測である。

 

テスラは時代の流れにのる銘柄いりをした。


バフェットの商社株買いは異例

2020-09-07 11:04:30 | 投資戦略

金融業界に関連したメディアが「ウォルストリート」という表現を使うとき、多くの場合には「証券会社かアナリスト」のことを指すのが普通である。その代名詞でもある。その人たちは株式を売買するのが本職。その人たちが「売り」の格付けを出したときは、確度の高い評価で、株価の動きには要注意である。

最近のウォール街で「売却」の格付けが、証券会社から発された代表的な銘柄はテスラ(TSLA)である。証券各社のアナリストが一斉に「売り」の評価を出しはじめた。最近ではめずらしい現象であった。

テスラは代表的な電動自動車として、証券各社のアナリストが一斉に売り推奨に走り始めた。

最近のウォール街のアナリストの格付けでは証券33社がそろって「売り」の格付けを出した。

アナリスト平均の評価は$274.97が目標である。時価は$418で9月初めには一時、$502を記録したが、今月にはいってから下落し$418をつけた。

最近のウォール街でのテスラの人気は異常であった。

海外ではコロナウイルス問題などが発生したが、テスラ株はコロナ問題をよそに上昇を続けた。

ウォーレン・バフェットが日本の複数の商社株を買い話題になったが、その投資には首を傾げたい。


ビル・アックマン  新時代を背負うヘッジファンド

2020-09-04 15:36:16 | 投資戦略

ビル・アックマン(パーシング・スクエア)はソロスやジュリアン・ロバートソンなどに代わってヘッジファンドの新時代を担う運用者である。

彼は本年初めに追加の新ヘッジファンド2700万ドルを募集したが、好タイミングで新しい資金が流入し短期間に26億ドルにまで10倍近い資金が流入した。

かねて業界でもビル・アックマンの将来性を注目してきたが、秋の大統領選を前に予想以上の資金が集まった。

募集後にアップル、テスラなどの新成長銘柄へ人気が集中し、予想以上の新資金を呼び込んだ。

ウォール街の現状は、コロナ問題などの突発的な材料が出て新資金募集には難航すると専門家はみていたが、投資家の反応をみるとコロナ問題は新資金の募集にマイナスどころか、先行きの不透明感を超え資金運用を長期間に設定する動きが目立つ。個人投資家の資金運用に託す期間が長期的になってきた。

それに投資家の運用期間が短期志向よりも長期志向を選択する傾向が強くなってきているのは大きな注目点である。

ビル・アックマンが目指した当初の募集金額をはるかに上回り、想定の10倍超になって運用者側が驚いた。

ソロスやジュリアン・ロバートソンの時代は終わり過去のものになり、新しい時代のはじまりである。

ビル・アックマンの運用するヘッジファンドは、個人投資家でも運用の対象にできる。アックマンは自分の運用するファンドが個人投資家の手元で普及することを狙って設定した。


大統領選を楽しむ

2020-09-03 16:03:33 | 投資戦略

任天堂(7974)が急騰(+1.63%)、2008年以来の12年ぶりに6万円台に乗せた。

米国の大統領選の民主党候補バイデン陣営が選挙キャンペーンに人気ゲーム「あつまれ/どうぶつの森」とコラボする。

新型コロナウイルスの影響で自宅での時間がふえたことが原動力になった。これまでからときどき人気ゲームを利用することがあり、クリントン氏は「ポケモンGO」を選挙キャンペーンに使った。3月に発売され2000万本超の大ヒット作品になった。

バイデン陣営では「あつまれどうぶつの森」は支持者に貢献し、フアンとつながる新しくワクワクする機会です」とサポーターを集める手段に利用をはじめた。

4年前に販売され、大ヒットした「ポケモンGO」をヒラリー・クリントン氏がコラボをした。

人気ゲームで大統領選を盛り上げるというアイデアはいかにもアメリカらしい発想だが、楽しい選挙という雰囲気を生み出す手段になる。

トランプ大統領がどんな新策を出すかみものである。


バフェットへえの驚き  商社株の魅力を掘り出す

2020-09-02 17:20:05 | 投資戦略

ウオーレン・バフェットの日本の大手商社への投資は驚きであった。

彼は90歳を超えても第一線に立ってこれまで通り運用の采配を振っている。ウォール街の歴史を振り返っても、このようなケースは見当たらない。

バフェットのこれまでの運用の歴史は超人的で、その仕事のエネルギーにはいささかの衰えも感じられないし、今回の日本の大手商社6社への新規投資をみても、彼にとっては全く新しい視点からの発想で、長年、日本株での運用をしてきた運用者も、おそらく驚きの投資であった。

日本人のわれわれでさえ「いまさら商社になぜ?」という疑問を感じさせる。

東京市場で運用するプロにさえ同じ疑問を感じさせたはずである。今年にはいってから機をみては集めてきた商社株に大量の資金を投じた。

彼が商社株を分析して、一度に行動を起こしたのには、彼の長年の投資での成功の実績の裏づけがある。

バフェットの得意な金融株でなく商社を選んだのには、外部の投資家が見落としてきた商社の魅力を自信をもつて見つけ出したからである。

株式投資の成功の基準は「儲ける」という極めて単純明快な尺度がある。世界の投資家はバフェット投資の成果について追跡しバフェット運用能力に関心をもつ。これまで専門家が見落としてきた視点を、バフェットは実績で世間に伝えることになる。よほどの確信がなければ取れない決断であった。時間がわれわれに成果を伝えてくれる。彼が成功すればバフェットの投資の新ルールが誕生する。

長年、日本の商社を投資家の独りとして分析してきたが、バフェットの決断については謎が多い。それだけに銘柄選択について、バフェットの新ルールが生まれることに大いに期待したい点だ。

日本の商社にとっては歴史的な朗報に等しい。