ウオーレン・バフェットの日本の大手商社への投資は驚きであった。
彼は90歳を超えても第一線に立ってこれまで通り運用の采配を振っている。ウォール街の歴史を振り返っても、このようなケースは見当たらない。
バフェットのこれまでの運用の歴史は超人的で、その仕事のエネルギーにはいささかの衰えも感じられないし、今回の日本の大手商社6社への新規投資をみても、彼にとっては全く新しい視点からの発想で、長年、日本株での運用をしてきた運用者も、おそらく驚きの投資であった。
日本人のわれわれでさえ「いまさら商社になぜ?」という疑問を感じさせる。
東京市場で運用するプロにさえ同じ疑問を感じさせたはずである。今年にはいってから機をみては集めてきた商社株に大量の資金を投じた。
彼が商社株を分析して、一度に行動を起こしたのには、彼の長年の投資での成功の実績の裏づけがある。
バフェットの得意な金融株でなく商社を選んだのには、外部の投資家が見落としてきた商社の魅力を自信をもつて見つけ出したからである。
株式投資の成功の基準は「儲ける」という極めて単純明快な尺度がある。世界の投資家はバフェット投資の成果について追跡しバフェット運用能力に関心をもつ。これまで専門家が見落としてきた視点を、バフェットは実績で世間に伝えることになる。よほどの確信がなければ取れない決断であった。時間がわれわれに成果を伝えてくれる。彼が成功すればバフェットの投資の新ルールが誕生する。
長年、日本の商社を投資家の独りとして分析してきたが、バフェットの決断については謎が多い。それだけに銘柄選択について、バフェットの新ルールが生まれることに大いに期待したい点だ。
日本の商社にとっては歴史的な朗報に等しい。
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