足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株、一転して強気派が支配

2014-10-09 06:27:00 | 株式
NY株は反騰し前日の暴落(-272.58ドル安)を埋めた。上昇の背景は9月の連銀FOMCの議事録の公表だ。複数のメンバーが用意された声明文の書き換えを要求し、文言がハト派寄りになった。海外の景気の減速、ドル高などのために足元の景気に配慮した内容になった。金融政策は先行きかなりの時間はゼロ金利政策を続けることを確認した。
この声明文に市場は大きく反応し、前日までの弱気ムードは吹き飛び、「ブル(強気)が戻ってきた」と株価は素直に反応した。
特に注目されるのは市場が「中国、ドイツ、日本が弱い」と気にし始めたことだ。アベノミクス効果でこれまでドル相場が大きく上昇を続け、日銀の政策効果を後押ししてきたが、この日に限っては変調がみられた。
黒田総裁は日銀の金融政策の効果を誇示するが、海外要因があったことにはあまり重要視してこなかった。NY市場がこのことを強調し始めたことに、注目しなければならない。最近の東京市場では日銀の政策に不信感を抱き始めた感がある。同じことはヨーロッパ中央銀行のドラギ総裁にもいえる。
NY市場の引け後、第3四半期(7~9月)の決算発表の口火を切ってアルコア(AA)が決算を発表した。同社にとっては久しぶりのサプライズ決算で利益は前年比で71%増加し、1株利益は予想の23セントを大きく上回り31セント。先行きにも強気見通しを出した。自動車でのアルミ使用比率が急増を初め、来年は自動車向けが売上の20%(現在は16%)になるとみる。自動車業界での素材革命が進展し始めた。
東京市場へのNY株の影響度が昨年より高まっているだけに、昨日のウォール街の模様は日本株には好影響を与えるだろう。
一足先に調整を進めてきた材料株や新興市場の銘柄にも強気人気が還流するだろう。