ZENZAIMU(全財務公式ブログ)

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KEMURI

2011-09-15 22:32:26 | 日記

 禁煙をはじめてから半年が経とうとしています。妻の禁煙をきっかけにはじめたのですが、挫折せずに続いています。このまま一生たばこを吸わない人生、となるかは分かりませんが禁煙当初の「吸いたい衝動」も今では殆どありません。健康にも、財布にも優しい無煙生活。どうしてもっと早く禁煙しなかったのか、いや、禁煙することが出来なかったのか。自分の意志の弱さを嘆くしかありません。

 

 愛煙家への風当たりはここ最近でぐっと強まり、たばこを吸わない事がまるで美徳であるかのように嫌煙家に追い風が吹いています。健康増進法やたばこ税増税といった政府主導のものから、著名人・芸能人の禁煙、そして、その禁煙方法を大々的にPRする各種広告や禁煙本の出版等メディアミックスによるもの等、確実に分煙・禁煙・無煙ムーブメントが起きています。そして、そのムーブメントに超弩級の神輿が担がれようとしています。たばこ一箱700円の提言。新内閣発足後、小宮山厚生労働大臣が「たばこ一箱を700円ぐらいまで値上げする事で、国民の健康増進を促す」旨提言(小宮山大臣の発言はあくまで個人の見解であり、政策ではないとしているが、大臣の発言がどれほどの影響力があるかは容易に想像できます。つまり、それはもはや個人の発言ではなく、世論に訴えかける「提言」と言っても過言ではないと思い表現しました)され、これをきっかけにたばこの健康被害を訴えている医師達による禁煙団体が、厚生労働省に対しもっと値上げ(増税)するべきだと要請したそうです。その額なんと1000円!「そんな殺生な・・・」と愛煙家達の嘆きが聞こえてきそうです。

 

 では、その嘆きを権利の主張に変えることは出来ないのでしょうか。喫煙の自由は憲法下では保障されていないのでしょうか。実は喫煙の自由については判例(最大判昭45.9.16)で「喫煙の自由は、憲法13条の保障する基本的人権の一に含まれるとしても、あらゆる時、所においても保障されなければならないものではない」としています。言い回しが独特ですが、要するに「喫煙の自由は制限されていて、愛煙家には我慢してもらう事もありますよ」という感じでしょうか。その制限の度合いは国で定めるのであれば政府主導による禁煙の風潮の中、声を大にして喫煙の自由を訴えるのは難しいのかも知れません。

 

 現行法制度下においては愛煙家を著しく排除する度の過ぎた社会とまでは言えないと思いますが、先述した神輿は喫煙の自由を蹂躙しかねないと元愛煙家の私は思います。政(まつりごと)に神輿はつきものですが、その神輿は本当に必要でしょうか。真に必要だと思うのであれば、一方的に言い放つのではなく愛煙家(国民)の意見に聞く耳を持つ必要があります。労使間でも話し合いは一方的によらず、交渉で物事を決めるという決まり事があります。増税についても国民(愛煙家)の理解を得るため、一方的ではなくきちんと対話を経て決めてもらいたいと切に思います。そして、健康増進法の在り方が喫煙の自由を脅かす危惧についても改めて考えるべきではないでしょうか。(大将)

 

健康増進法 第2条

 国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない