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中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

旬を食べ、旬を着る

2013年10月01日 | こぼれ話
週に1回ミネラルたっぷりの有機野菜を、紬塾にも参加してくださっていたTさんから配達してもらっています。
ご実家は農家でしたが、無農薬、有機栽培で昔の野菜の味を目指したいと、10世帯分ほどをほぼ一人で育てています。
原発事故以降、腐葉土、糠が使えなくなり、その入手にご苦労されているようです。
私にはそれでも美味しく感じられるのですが、ご本人は、以前より味は落ちていると言っておられます。

9月から10月にかけては野菜の端境期で量も種類も少ないのです。
先週末は空芯菜、米ナス、ナス(大小3個でしたが秋ナスは本当に美味しいです)、オクラ、九条ネギ、シシトウ、ピーマン、サツマイモ(小さいのが3本)、カボス、インゲン(今年はインゲンが上手くいかなかったそうで、たった1本でした~っ!でも、お味噌汁の彩に使いました。ありがたく噛みしめました)。

形がいびつだったり、大小不揃いだったり、量も少なかったりしますが、私は工夫しながら今あるものを大事に頂いています。
野菜の形や、量から、逆に献立が浮かんできます。
あれがなければ、これがなければ作れない料理はほとんどしません。
旬のものを食べるのが一番ですので。

着物の創作も私は染め上がった糸の色を見て構想を練っていきます。
この色がなければあの色がなければと求めません。
今の空気、季節を肌で感じながら今着たいものを考えます。
私の場合は、衣・食、一緒ですね。

着るものも今は端境期?ですね。合着、合服です。
でも洋服なら長袖シャツ1枚で軽やかに装える季節ですし、
着物も紬や木綿の単衣を軽快に着たいところです。
間違っても10月1日だからと袷の紬は着ない方が良いです。
胴裏に汗染みを付けつのが落ちです。

単衣の紬は着る時期が短いからとよく言われますが、
着物のルール本に書いてあるそのままではなく、着物も地風は様々ですので杓子定規にならず、
気候に合わせて、自分の着心地などで判断すればよいことです。
人のロボット化は着物を着る世界にまで及んでいるように思えます。




7mmの厚さに切り分けると11枚取れた新サツマイモの素揚げです。
Tさんに分けてもらっているミネラルたっぷりの塩でいただきます。
上は、夏の間何度も登場した空芯菜とニンニクの炒め物。今シーズンはTさんの畑では最後となります。
ニンニクも美味しいんですよ!



北海道産の秋鮭のホイル蒸し。カボスが入っていたのでこのメニューが浮かびました。



無花果は愛知産のものですが、このシーズンにはよく買います。
果物として食べることはなくて、日本酒、ワインのつまみにします。
昨日は水切りしたヨーグルト(5時間以上)とルッコラ、オリーブ油、塩でいただきました。
Tさんのルッコラだともっと美味しいのだけれど、、、と思いながら食べました。。


さて、紬塾も端境期?でしたが10月6日(織物設計)、秋からの講座スタートです!
お待ちしています。














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宇宙と繋がっている

2012年01月09日 | こぼれ話



一日一日を大切に今年も過ごして参りたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

大好きな蝋梅の花を東京・町田市の忠生公園にお正月に見に行ってきました。
とてもうっとりする⌒∂⌒~いい香りでした。



「マンゲツ」という品種。

美しいものを見ると、それが自然物でも人の手で作られたものでも清々しい気持ちになります。たくさんの美しいものに今年も出会いたいと思います。

そして美しいものとは何かを問いかけながら、私も一点一点大切に、美しい布を織りたいと震災以降、ことさら強く思います。

一昨日はかたちの会の会誌の記事取材で、ある方のお宅にお伺いしました。

取材を終えて夫君も交えて話を伺っているときに、宇宙の話になりました。
お正月に見たテレビ番組で「宇宙の星も人間の身体も創造と破壊をくりかえしている」と聞き、自分の身体も宇宙と繋がっているのだと思ったらスゴイ!と思えて、後ろ向きにならず前向きに生きていけばいいんだ、と話してくれました。

ごく普通の暮らしをしている方ですが、ピュアな気持ちを持っているといいものにも,いい人にも出会えるのだと、素敵なご家族でした。

宇宙空間で生かされている今の時間がとても大切だし、大地や空や海や川や、そして様々な生き物の連鎖。
古の人々は宇宙と交信しながら恵みを受け、時には自然の猛威に苦しみそれでも自然に感謝しながら生きてきたのですよね。

自然界になかった化学物質に囲まれ、自分の中にある五感さえも鈍らせて生きている今という時代ですが、少しずつでも本来の人間の感覚を取り戻したいなあと強く思います。

蚕が吐き出す糸と、自然界の色、光、季節と一体になって、宇宙の「気」をもらい精一杯美しい仕事をしようと年頭に思いました。

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