年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

いけるか・このまま

2016-08-30 00:00:00 | Weblog
 今年の「夏越し」は、もしかすると成功するかもしれない・・・

 と、寒暖計を見ながら思った。それにしてもきつかった、今夏は。夜初めて厚い布団を出して眠るほどの気温。夏のあいだ中開け拡げたすべての窓を締めなければならないほどのサムい夜風が入ってくる。でも、どういうワケだか足が冷える、下半身が冷たい。40度ほどの風呂に入り腰から下を温めていたにもかかわらず足が冷たくなった。急いで膝まで隠れる長い靴下を穿く。けれどすぐ撃沈するはずなのに今夜は目が冴えておる。10時過ぎの、自分は寝入る時間帯であるにもかかわらず目が冴えている。

 エ~イしゃ~ない。と枕元に転がっている本を手繰り寄せる。いくつかの嫌韓本と読みくさしアドラー本。3分の1くらい残しているところに紐の(スピン)栞が垂れる三浦しをんさんの文庫本「風が強く吹いている」がある。そうだ、正月の箱根駅伝に出場が決まった寛政大の蔵原走はどうだったかなぁ・・などと目の硬い今夜は、すぐさま眠りに撃沈しないために続きを読むことにした


 作家三浦さんの本は漫画チックである。「神去りなぁなぁ日常」でも「船を編む」でも重いものを軽いタッチで流していて、味付けに若い男女の恋愛もどきごとが描かれている青春ものがたり。例えばミルトンの方でなく渡辺淳一さんの「失楽園」や「愛の流刑地」の描写にあるようなくどいほどの男女の肉と魂のエネルギー満ち溢れる営みのぶつかり合いとは正反対のように感じるのが特徴。

 長男が高校時代にやっていたのはトラック陸上競技800m、その後趣味として市民マラソンランナーに移った長男からよく聞かされた“ランナーズハイ”がある。身体と心が一致するような感覚だとか、それをさらに上げていくと過酷な練習を積んだトップアスリートが極限となる試合中に、高い集中がもたらす特殊な心身状態がゾーンだと。蔵原走はゾーンに入った走りなんだろう。

 往路5区山登りの失敗で最下位グループに落ちた寛政大が復路に巻き返す所は、とにかくみんなよう走った。駅伝専門の選手ではない無名大学の素人選手が集まった駅伝部の活躍である。仙台の高校で陸上部にいた際に問題事件を起こした蔵原走がたすきを受けて走る所は、美しく早い早い・・・だから読み手の私も早い早い。2行とばしで読んでも景色が良く見えるほど、DVD再生で言えばX2どころかX4の早送り状態。

 蔵原やキャプテンのハイジが走る9区と10区が特に盛り上がる。読みながら自分は正月二日に毎年見ている箱根駅伝実況中継TVを思い出させる。あ~あの時もこんな状態だったなぁとか・・もちろん大学名は違う、選手も違うが・・。

 そしてこれを書くにあたっての作家さんの資料集めが面白そう。
 巻末にある協力してくれた大学や選手の数の多いこと・・・むしろそちらの方に感嘆。

 何年振りだろうか・・眠れなくなり目が冴えて1時過ぎまで電気スタンドをつけて読み耽ったのは。たいていは寝る前に小1時間読む癖があるくらいだが・・。