くそ暑い日の正しい過ごし方考

　リオオリンピックや高校野球を見ながらクーラーの効く室内で優雅に過ごすなどの目先をごまかすような過ごし方でもなく、かと言って汗をだらだら流すような体を動かす面倒くさいことを選択するでもなくあと数週間耐え忍ぶのに、老人化した自分に最もふさわしい我慢する方法を考えてみた。

　騒がしい音に興味を抱く年齢はとっくに過ぎている。だからスポーツ番組満載のテレビや何十年も変化のない民放ラジオ局のアナウンサーが地方訛り言葉を電波に乗せてラジオスピーカーから聞こえてくるとそれだけで余計にうっとうしくなる。どうやれば静かな時間が持てようかと・・思うも明け放す窓から網戸を通して外から入る音はクマゼミのジャージャー音、時たま甲高い子供の声が聞こえてくるがそれもジャージャー音にかき消される。

　自宅前の柿の木の枝につるしてある温度計は朝から３０℃を超えておる。

　今日は棚経だと案内があった。奥さんはせっせと住職を迎えるための準備。精霊棚を出して何やら飾り団子や野菜を乗せ、またお霊供膳を作る。そのうち外出届を出した母親が介護施設から妹夫婦と一緒にやって来た。ヨロヨロしながら両手を引かれて家に上がった。母親が云うのに、アンタ所に来るのはこれが最後だろう・・と。中学校の社会科の先生をやっているお寺の住職さんがやって来て何かしら読経を唱え鉦をチ～ンと叩いておしまいとする。臨済宗東福寺派だという住職さんにお聞きしたかったのは、宗教、特に仏教が今の中学生の考える命に説得力があるか・・ってこと。こんな熱い昼下がりうるさい質問に答えるほど今日の住職は時間が無さそう、さっさと次の檀家さんへ移動された。そういえばこの１週間来袈裟を着込んだ住職さんにとよくすれ違う。今が稼ぎ時か。

　餓鬼道に落ちてしまった腹ぺこと喉の渇きに苦しむ者に飯食と浄水を施す法要がお施餓鬼だと聞く。餓鬼仏に吾輩もスイカ部門で参加しておる。

　くそ暑い日にはクーラーの下ではなく午前中は西から風が吹く部屋に陣取り、枕を取り寄せ文庫本を読む。眠たくなれば寝入る。当然汗が出るまま目が覚めると風呂場に直行。冷水を浴びるとにニチャニチャした身体がパサパッサになるとまた寝転んで読書の続きとなる。こんな時はこ難しい本などいらない。単純明快な本がエエ。とりあえず三浦しをんの
　食欲のあるなし、睡眠時間の長さ、身体のだるさなど…どうでもエエ。こんなくそ暑い日が続いているのに、よく寝てよく食べて体も軽いなんてほざいておる輩は信用ならん。