世の中の物にすべてが当てはまるハイリスク・ハイリターン。こんな簡単なことが日本人の多くが理解していない。物事全て、ハイリスク・ハイリターンなのである。これは投資の話ではない。物事全てについてである。買い物をする場合もそうである。安ければいいに決まっているが、安い物には何かがある。よく言われる不動産、安いと宣伝しているものには必ず落ちがある。世の中は甘くはないのである。
今回の選挙で、自民党が大勝ちした。前回の選挙では民主党が大勝ちした。選挙制度に問題があるから、政権がころころ変わるのである。安定した政権を維持させるためには制度そのものを変えないといけないのである。自民党は今、景気回復のために大盤振る舞いをしようとしている。これもハイリスク・ハイリターンになる。もし、これだけの大盤振る舞いをして、景気回復が出来なければ大きな借金が積み上がるだけでなく、日本が完全な借金地獄に陥り、最後はデフォルトになってしまう。
昨年末から話題になっているiPS細胞による治療。これから多くの病気に何らかの希望を与えてくれるはずだが、そこには必ずハイリスク・ハイリターンということが考えられる。希望は高いが全てが上手くいくわけではない。最先端治療をしたから必ず治る、というものではないことも頭に入れておかなければならない。日本人は勘違いをすることがある。iPS細胞などの最先端技術を使えば成功する、と思ってしまうのである。そこに必ずリスクが伴うということを。
景気が良くなり経済が回復したから、すべての人が幸福になる、という勘違いもある。日本は二重構造の社会である。経済が回復しても、その恩恵に入らない人も多くいるということ。短期派遣で生活をしている人たちや、学校を卒業しても失業している人たちが、果たして景気回復をしたら、その恩恵を受けることが出来るだろうか。小泉政権の時に格差社会がより広がったことも忘れてはならないのだが、多くの国民は殆ど忘れている。この時にも、ハイリスク・ハイリターンの政策で物事が進んでいたのである。中国や韓国が表面は華やかに見えるかもしれないが、二重構造の社会を憂えていることも事実なのである。
自分の生活の中にも多くのハイリスク・ハイリターンがあることも理解していない人が多くいる。日本人の心の中に、このような捉え方をしていなかったのかもしれない。自分の行動や考え方をもう一度振り返ってみると必ずハイリスク・ハイリターンであったことを思い出すはずだ。自民党政権になって、景気が回復することを期待している人が多くいるが、今の政権が取っているハイリスク・ハイリターンの政策は格差社会の拡大が生じる、ということである。喜んでいる人たちの陰には、悲しんでいる人たちも多くいる。そんなこと関係ない、という人も多くいる事も確かだ。