日本は政権が新しくなったので、中国はそんなことはしないだろう、などと高をくくっていると、とんでもないことになる。今、中国海軍は盛んに島への上陸訓練を行っている。中国海軍としては、海軍が直接手を下さなくても、軍艦を並べて尖閣諸島に民兵を上陸させることは可能である。中国としては、海軍をうまく使えばそれで済むことだ。海外に対しては、自国の領土に上陸したということを大きく取り上げ、日本領だったことを何も報道しなければいいわけだ。一度上陸を許せば、あとは民兵が駐留するための建物を造り、要塞化してしまう。
簡単な筋道で尖閣諸島を手に入れることが出来る。国連は中国が常任理事国の拒否権を行使することですべてがうまくいく。アメリカは、日本が何もできなければ手を出すことはできない。島を奪還することは、大変なことなのである。一度失ったものを奪還するには、少なくとも武力を使わなければできない。自衛隊出動に踏み切ることが出来るかどうかである。何もしなければ今後、島を奪還することは不可能になり、竹島と同じ運命になる。
尖閣諸島が中国の手に落ちれば、その次にやってくるのは、沖縄諸島である。中国の狙いは沖縄諸島を中国領に入れることである。今、盛んに沖縄諸島は中国領だと宣伝している。特に海外での宣伝はすさまじい限りだ。日本が尖閣諸島を守りきれなければ、鹿児島県にある多くの諸島も失いかねない。沖縄県がすべて中国領に編入されることになれば、アメリカの西アジアにおける力は殆ど失われることになるだろう。
中国の強硬策は、意外性ではない。今でもいつ尖閣諸島に強硬に上陸を試みるか探っているはずだ。彼らの企みは、単なる領土の拡大だけではない。東アジアから西太平洋への進出が目的である。日本の尖閣諸島を手に入れることで、風穴を開けようとしているのである。武力を使ってでも尖閣諸島を手に入れたい中国は、今、その訓練を行っている。喉から手を出したいほど欲しい尖閣諸島、どんな手を使ってでも手に入れてしまうであろう。それを日本が阻止できるかどうかは政権の問題である。見ているだけで何もしない政権は、中国が強硬策を行えば、あたふたと逃げてしまいそうな政権では何も手出しはできないであろう。
安倍政権は、野党だった時には強気な態度を取っていたが、政権の座に就くや、一変して弱気な態度になってしまった。問題は、事が起きたときにどのような行動をとるか、である。今の中国は民族主義一色である。中国がどのようなことを仕掛けてくるか、それは全く想像できない。巧妙な仕掛けを用いることは間違いない。安倍政権の出方をどのようなところから突いてくるか。