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カクレマショウ

やっぴBLOG

世界最古のスポーツ、ボクシング

2007-10-14 | ■野球/バファローズ/スポーツ
ボクシング"boxing"って、どうして"box"(箱)なのかなと思っていたら、"box"には、名詞で平手打ちとかげんこつという意味もあり、さらに「平手打ちを食らわす」とか「げんこつでなぐる」という動詞でもあったのですね。

握りこぶしを「箱」に見立てるというのは、古代ギリシア人に始まります。古代オリンピア競技会の種目の一つでもあったボクシングは、ギリシア語で"pugilism"(ピュージリズム)と言いますが、これは、箱や握りこぶしを意味する"puxos"から派生した言葉なのだそうです。拳で殴り合うというのは、人間の最も基本的な戦いの方法ですから、「走る」、「投げる」ことを競う競技とともに、既に古代オリンピア競技会の種目になっていたこともうなずけます。

ただ、この競技は、しだいに「拳で殴り合う」だけでなく、腕やヒジを使ったり、あるいは蹴ったり首を絞めたりと「何でもあり」の格闘技になっていきます。ローマ時代になると、剣闘士(戦いを見せるための奴隷)どうしがどちらか死ぬまで戦うといった残虐性とそれを楽しむ「ショー」的な色合いが濃くなってしまい、「スポーツ」としてのボクシングは姿を消してしまいます。

それを復活させたのが、18世紀の英国で誕生したboxingということですね。

さてさて、ここ数日のスポーツ界の話題は、亀田一家バッシング一色です。一応、プロ野球もクライマックスシリーズとかなんとか、わけのわからないプレーオフしているのですが、亀田一家の方が話題として数倍面白いのは言うまでもない。

私も、もともと亀田一家の言動は好きではありません。息子たちはともかく、いい年した父親が口を出しすぎです。ああいうのが「家族愛」とは決して思えない。ま、それはともかく、先日の内藤戦での大毅選手の「反則」に端を発する今回のバッシング、彼らの態度に常日頃から鬱憤を募らせていた「国民」の声をバックに、マスコミがここぞとばかりに叩きまくっているような感があります。

リング外での彼らの度を超したパフォーマンスも、ボクシング界内部で批判の的にされています。曰く、「スポーツ」としてのボクシングを汚している、リング以外のところで目立ちすぎである。

ただ、そこには「プロ」スポーツであるというジレンマも見え隠れしています。「プロ」である以上、「見せる」つまり「ショー」的な要素もある程度必要で、たとえば選手が入場する時のパフォーマンス(今回の大毅選手の「弁慶」の扮装にはぶったまげました)、あれなんかは、アマチュアには必要のないものですね。それに、試合前日の計量の際の記者会見も、多分に「演出」されているフシがあります。プロボクシング界は、それらをショーとして認めているわけですから、どんな選手がどんな目立ったことをしようと、文句はつけられないはずです。記者会見の「挑発」にしてもです。そういう意味では、亀田兄弟はボクシング界にとってはこれまでにない「商品価値」があったと思うのですが、今回、大毅選手がリング上でルールを破ったのは、大きな誤算だったかもしれません。

ボクシングは決して「喧嘩」ではなく「スポーツ」ですから、当然、ルールに則って行われるべきであり、それに違反したらそれなりの罰則は科せられてしかるべきです。それはプロだろうがアマチュアだろうが関係ないことです。今回の「反則」は、素人の目から見てもあまりにも度を超したものでした。拳だけで殴り合う、という最も基本的なルールさえ犯していたのですから。

ここできちんとした対処をしないと、ボクシングというスポーツが、いつのまにか古代と同じ轍(てつ)を踏むことは十分考えられます。「あれはボクシングではない」という意見に、ボクシングの危機が如実に表れています。これは、「プロ」ボクシング界だけの問題でもなく、ましてや亀田兄弟ごときの問題でもありません。「人類最古のスポーツ」の尊厳がかかっているといったら少し大げさでしょうか…。


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