
今日3月10日は、東京大空襲の日です。
70年前の1945年3月10日未明、米軍のB29爆撃機による東京への無差別爆撃により、たった一晩で10万人以上の死者を出しました。たった一晩、と書きましたが、実際にB29が30万発の焼夷弾を透過したのは正味2時間半と言われています。
近代までは、戦争というのは職業軍人が戦場で殺し合うものでしたが、このように無差別に民間人を爆撃するという方法が本格的に採用されたのは、第二次世界大戦が初めてなのです。都市への大規模な空襲は、1937年のナチス・ドイツ軍によるスペインの小都市ゲルニカへの爆撃に始まります。そのニュースを聞いたピカソが渾身の怒りをぶつけて描いた絵はあまりにも有名ですね。ヨーロッパでは、ドイツ軍やイギリス軍による相互の都市への爆撃が応酬され、合わせて数十万人もの市民が命を落としています。日本軍も、中国の重慶への爆撃を行っています。
無差別爆撃のとどめが、広島・長崎への原爆の投下です。原爆投下の理由としてよく言われるように、都市への空襲は、「戦争を早く終わらせる」という理由がもっともらしく語られます。それほど戦争したいなら、戦争に勝ちたいなら、戦争したい人がどこか隔離された場所で殺し合えばいいのにと思う。町を戦場にして、無辜の民間人を巻き込むのだけは最低限勘弁して欲しい。
飛行機で空から無差別に町を爆撃するというやり方は、あまりにも人道に外れています。でも、それを「フツーのこと」にしてしまうのが戦争の怖いところです。爆弾を落とすパイロットには、眼下の町が燃える光景は見えても、そこで焼け死んだり、爆風に飛ばされたりする人間の姿は目に見えないので、おそらく感覚が麻痺していたにちがいない。戦争は恐ろしい。