カクレマショウ

やっぴBLOG

「日本版CCRC構想」

2016-02-01 | ■世界史

「日本版CCRC」という言葉を先日初めて知りました。「CCRC」とは、Continuing Care Retirement Community の略で、直訳的に言えば、「継続的なケア付き高齢者コミュニティ」、つまり、老後、まだ健康なうちに入居し、最期を迎えるまで過ごす生活共同体のこと、なのだそうです。住居とヘルスケアがセットになった高齢者のためのシステムです。米国発祥で、現在、全米各地に1861のCCRCがあると言います。

このシステムを日本に置き換えて展開しようとしているのが「日本版CCRC構想」です。日本では、首都圏に在住する高齢者に地方への移住を促し、アクティブな生活を送ってもらいつつ、医療介護が必要な時には継続的なケアを受けられるような地域づくりを目指す形になりそうです。

今でも、地方の介護福祉施設には首都圏からの入居者も多いと聞きますが、そうした施設と異なるのは、リタイアした高齢者が健康なうちに入居するという点、地域活動や学習活動に積極的に参加する「主体的な存在」として高齢者が位置付けられている点、高齢者が地域に溶け込み、地元の住民や若者、子どもなどと交流・協働する「オープン型」の居住であるといった点です。米国のCCRCでは、入居希望者は入居前からどんなコミュニティをつくりたいのか、意見交換する機会があるそうですが、日本でもそのような場が設けられることが重要だとされています。うん、これは面白そう。

ただ問題は、受入先となる「地方」です。国の「日本版CCRC構想有識者会議」の素案では、「日本版CCRC構想の成否は、東京圏の高齢者が住みたくなるような魅力的なコミュニティを形成できるかどうかにかかっている」と、「地方」からすればちょっとカチンと来るような言い回しをしていますが、考えてみればそれもそうかもしれないとも思う。本気で「地方創生」とやらを考えるのであれば、都会から高齢者を「受け入れる」ことも、一つの選択肢として真剣に考えていかなければならないのかもしれませんね。「日本版CCRC」が各地で動き出せば、新たな地域の活性化モデルともなりそうです。

 
 
 

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マーク)
2016-02-16 21:10:21
はじめまして 
遠い夜明け の映画レビューから 
ふとやっぴランドを見つけました。。
世界史に関する68映画すべて 順に見ていこうと思います。
バクシーシで見れない個所がありますが
それも公開してくださると うれしいです。
返信する
Unknown (やっぴ)
2016-03-24 22:09:50
マークさん コメントありがとうございます。歴史映画の拙いレビュー、読んでくださって本当にありがたいです。これからもよろしくお願いします。なかなか「やっぴらんど」のほうは更新できていませんが、こちらのブログもぼちぼち書いていきますので、よろしくお願いします!
返信する

コメントを投稿