カクレマショウ

やっぴBLOG

御教訓カレンダー傑作選

2008-02-08 | ■その他
昨日触れた「ほぼ日刊イトイ新聞」の名物コーナー、「言いまつがい」。あれを読んでると、世の中いろんな人がいるんだなーとつくづく思いますが、投稿されている「言いまつがい」は、あくまでも実際にあった話に基づいています。これこれこういう状況で、こんな「言いまつがい」(や「聞きまつがい」)があったよ~てな感じで。読む人は、その状況を思い浮かべて、ガハハと笑う。とても親切な「笑い話」ですね。

これに対して、同じ糸井重里が長く関わっている「三日坊主御教訓カレンダー」の方は、いわば「突き放し系」の「笑い話」と言えるでしょうか。基本的に説明なしのそのものずばりの短文。場合によっては「単語」だけだったりする。時には一瞬考える「間」も必要だったりもします。私には、こっちの笑い話の方が性に合っているかも。

「御教訓カレンダー」は、もともとパルコ出版から出ていた「ビックリハウス」という雑誌の投稿コーナーから生まれたものです。年間の「優秀」作品を集めて次の年のカレンダーに載せる。雑誌が廃刊になってからも、投稿の募集と審査は継続されて、毎年カレンダーだけは発売されています。私が初めて買ったのはいつだったろう?少なくとも15年くらいはほぼ毎年買っているはずです。

「三日坊主日めくり」なので3日ごとに1枚めくって楽しむべきなのでしょうけど、たぶんほとんどの人がそうすると思われますが、買った日に、まず全部めくって読んでしまいます。それからおもむろに目の付く場所に下げておくのですが、結局、面白いページはずっとそのままにしておくので、ほとんどカレンダーの役割は果たさなかったりします。

ネットで過去の「御教訓」のラインナップを見つけました。カレンダーが生まれたのは1980年ですが、「大賞」はじめ、様々な賞が設けられたのは1987年からということで、それ以降の入賞作品を読むことができます。ただ、文や言葉としては同じでも、やっぱりあのカレンダーの、あの書体、あのスタイルで読むから面白い、というのも確かにありますね。

 あなたがおかけになった電話番号は前代未聞です   (1987年)

 一升ビンは一生ビンだった   (1987年)

 黒ネコヤマトの卓球部員    (1988年)

 ねじめ正一   ─投票結果    (1990年)

 アン・チュー・モサク?   ─あなたは茂作さんではありませんか?  (1991)

…懐かしい! 懐かしすぎる。

「御教訓」で一番面白いのは、やっぱり「セリフ系」でしょうか。セリフ系は、「言いまつがい」と似たコンセプトですが、こちらは「必要最小限のこと」しか言ってませんから。

 お前も浪人業にしてやる   ─悪徳予備校

 自分は仏教ですから   ─高倉健

 立て立つんだじょー   ─ハタ坊

 ダメ、そこビンカンなの   ─ゴミの分別

 ここじゃナンだから   ─インド

 助さん、格さん、小屋閉めてやりなさい

 あら、あたしとしたことが?

 いい木になって図に載ってんじゃネェ   ─天然記念樹

 腐ってもうたい!   ─九州の土産

 社長、今夜はパート行きましょう、パート

 やめて!! オーボエ出すわよ

 あなたがいないので刺身買ったわ

 彼っていつもチューしよう的なことしか言わないの。

 適当に3つコロッケください。


様々なシチュエーション。それぞれに、しっかりドラマが展開されてますよね~!

動物もたくさん登場するんです。

 つるは せんべい かめまへんねん

 馬の耳二年分

 ついカツとなってしまった   ─豚

 ちょっと君、フン出るよ   ─牛

 放尿の旅に出る   ─犬

 鳥は生まれた時に側にいたものを「おや?」と思う

 くまさんのプー

 今朝反ってきたばかりなんだけどなあ。   ─エビ

 アライグマ十四世

 ♪メダカの格好は、川野かな?   ─学芸会

 タニシ飼った思い出


ムーミンも。

 ムーミン、ダニで大騒動

 カバの字で寝ています   ─ムーミン一家


考えるとこわい系。もしくは不条理系。

 母は、剛(つよし)   ─実はオカマ

 いつか、私の目の前に、吐くまで酔ったおじ様が現れて…

 アキラは自分がタダシと思っている

 オリジナルTシャツを千着、一名様にさしあげます   ―迷惑

 何を思ったか、姉は今日、消防パンツで外出した

 運転手さん、三つ目の信号を右に曲げてくれる?

 皮の字になって寝る

 なんとなく君悪いな   ─あいまいな裁判官


きりがないので(あと、笑いすぎるので)これくらいにしておきます。最後に、これは今日本当にあったことです。

 今日も仕事にぼーっとする

…という状態の昼下がり。同僚の電話の声が耳に入ってきました。

 「私なんか、もう手当たりばったりで…」

…それって、「言いまつがい」ですよね! 手当たり次第+行き当たりばったり。それとも、もしかしたら、両方の意味を込めたかったのかしらん…?


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