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カクレマショウ

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「つながり」と「しがらみ」

2004-08-31 | ■つながり・コミュニケーション
6年ほど前に上田紀行氏の講演を聴いたときから、「つながり」と「しがらみ」という言葉がずっと気になっていました。

上田氏の著書『覚醒のネットワーク』(1989年、カタツムリ社)は、スリランカの悪魔払いの話から始まるのですが、スリランカでは孤独な人に「悪魔のまなざしが来る」と信じられているのだそうです。お互いにまなざし合っている時には悪魔はこないけれど、その暖かい輪から外れてしまうと途端に悪魔がやってきてとりつく、つまり、精神的にダウンしてしまって社会に関わることができない状態になってしまいます。だから、悪魔を追い払うために、村中の人が悪魔にとりつかれた人を囲んで祈ったり歌ったり踊ったりお笑い大会をやったり、とにかくみんなの輪の中に入れて元気づけてやる。これが「悪魔祓い」の儀式なのだそうです。

今の日本社会は、「つながり」とか「ネットワーク」が大事だよとか言いながら、実は不自由な「しがらみ」にどっぷりと首までつかっている状態なのでないでしょうか。その「しがらみ」の原因となっているのが、スリランカでいうところの「悪魔」ということになるのでしょう。誰しも「悪魔」の一つや二つは抱えていると思うのですが、それが追い払えないほど重くなってしまっている人のいかに多いことか。しかも、「悪魔」はその人の内面だけではなく、外に向かっても悪さをしようとする傾向があるようです。それは卑劣ないじめだったり、凶悪な犯罪だったり…。

私たちが「悪魔」を追い払えない大きな理由は、「孤独」つまり、自分自身を解放してくれる「つながり」を見い出せないからにちがいありません。

「つながり」の大切さに気づかせてくれるのは、本来は「地域社会」なのではないかと思います。ところが、地縁によるコミュニティこそ「しがらみ」にまみれているとも言えます。そこで最近では、必ずしも地縁によらないコミュニティ、つまり「志縁」とか「好縁」とか「テーマ縁」というように、様々な形の新しいコミュニティが「悪魔祓い」の役割を果たしていると言えるのかもしれません。



 

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