「アファーメーション」で何かが変わる。

昔の教え子から、アファーメーション"affirmation"という言葉を教えてもらいました。

"affirm"とは、「断言する、肯定する、言明する」という意味。そういえば、「アファーマティブ・アクション」という言葉がありました。「肯定的措置」。少数民族や女性、障害者といった“社会的弱者”に対して、雇用や進学、職場における昇進などにおいて特別な採用枠を設置したりすることです。たとえば、県の審議会などの委員には女性を何%入れなさいとか、以前ブログでも取り上げた「インドの国立大学の定員の半数を被差別層の特別枠とする」とか。

日本では、「ポジティブ・アクション」という和製英語も同じ意味で使われていますが、これは「アファーマティブ・アクション」と「ポジティブ・ディスクリミネーション」（"Positive Discrimination"＝肯定的差別）を組み合わせてつくられた言葉です。

ま、それは置いとくとして、アファーメーションとは、要するに、自分がなりたい状態やめざす方向に向けて進んでいくために、自分自身に対して、意識して肯定的な言葉（宣言）を言い続けるということのようです。

ここで大事なのは、「○○になりたい」ではなくて、現在形もしくは完了形で表現するという点だと言う。そして、主語はあくまで「私」。たとえば、自分が感情に左右されがちで、冷静な判断ができる人間になりたいと思っている人なら、「私はいつも冷静である」と言い聞かせる。あるいは、何か欲しいものがある人なら、「私は○○が手に入ってとてもうれしい」とか。

ただ、アファーメーションがちょっと現実とかけ離れている場合には、「進行形」にすればいいらしい。たとえば、試験でいい成績をとろうと思っているんだけど、なかなか覚えられない人は、「私の記憶力は毎日どんどん伸びている」とすればいいのだそうです。

「洗脳」というのは、新興宗教かなんかのイメージがあって、あまりいいイメージの言葉ではありませんが、アファーメーションも一種の洗脳だろうと思います。自分で潜在意識に訴えかけることによって、潜在意識そのものを変えていこうということです。アファーメーションに関するあるサイトを見ていてはっとしたのは、「潜在意識に冗談は通じない」という言葉。潜在意識は、自分自身の「命令」に素直に従ってくれるのです。「できない」とか「私には無理だ」とか「うまくいかない」だとか、いつも否定的な言葉をかけていると、潜在意識もそのとおりに受け取ってしまう。アファーメーションは、常に肯定的で前向きな言葉を繰り返し言うことで、潜在意識に静かに浸透していくのです。そういう意味では、ホ・オポノポノの「クリーニング」とよく似ています。ありがとう、ごめんなさい、許してください、愛していますという4つの言葉を繰り返し言い続けることによって、潜在意識を司る「インナーチャイルド」を癒し、苦しみ、辛さ、憎しみといった感情を消し去っていく。かくも「潜在意識」は「操作」できるのですね。


アファーメーションのやり方については、様々なサイトで、いろいろな方法が紹介されています。朝晩口に出して唱える(目覚めの時とか眠りに落ちる前とか、意識がぼんやりしている時がいいらしい）、メモに書く、紙に書いて壁に貼っておくetc.…。「複数のアファーメーションを同時にやってもいいが、10個だと多すぎる」といったことが書かれているものもありました。

「○○だ」と宣言するのはいいけれど、その陰で、心のどこかでは「やっぱり無理だよなあ」と思っているんじゃだめなんだろうと思います。「しっかり思い込む」というのは難しいのですが、そこがアファーメーションの肝心要のところなのでしょう。

ところで、「相手」が関係するアファーメーションの場合はどうなんだろう？と思います。たとえば、ある人と両想いになりたくて、「あの人と付き合えて私は幸せだ」というアファーメーションをすることにしたとしても、相手がもしその人のことが実は嫌いで、逆のアファーメーション(「あの人が別の人を好きになってラッキーだ」みたいな)をやってたとしたら。どちらも同時にかなえることが不可能な場合、アファーメーションの「強い」方が「勝つ」のでしょうか？　そこはよくわかりませんね。

とりあえず、私も、アファーメーションを立ててみました。3つ。まあ、気長にやってみます。