カクレマショウ

やっぴBLOG

通天閣はおもろい。

2008-02-17 | ■その他
先日、大阪出張の際に、初めて通天閣に行ってみました。

地下鉄のえびす駅を降りて地上に出ると、商店街の向こう側にあの姿がそびえ立っていました。まずは第一印象、完璧にクリア~! 私にとっては大阪といえば太陽の塔、ですが、通天閣もなかなか魅力的です。

営業時間は10時からということでちょっと時間があったので、周辺をぶらついてみましたが、とにかく右を向いても左を見ても串カツ屋だらけ。さすがにあの時間では開いている店はまだありませんでしたが、夜ともなれば、あの界隈、客寄せの声が引きも切らないのだろうなと思いました。タバコ屋、酒屋、薬屋、成人向けの映画館、ちょっと小路を入ると小さなスナックが軒を連ねる。なんとなく浅草に似ていると思いました。浅草では串カツの代わりにモツ焼きですけど。そういえば、かつて浅草にもシンボルタワーがあった。凌雲閣(りょううんかく)。通称「浅草十二階」。1890(明治23)年に建てられた赤煉瓦の塔。関東大震災で焼失。それにしても高さ52mというのは当時としては考えられない高さだったことでしょうね。



通天閣の高さは100m。凌雲閣の約2倍です。実は、今の通天閣は1956(昭和31)年に完成した「2代目」なんだそうです。初代通天閣は1912年(明治45)年に竣工、高さは75mだったとか。これは明らかに東京の凌雲閣を意識していますね。それより、「初代」で興味深いのはその形状。写真(通天閣オフィシャルサイトより)でわかるとおり、下部がパリの凱旋門、その上にエッフェル塔をくっつけてしまうという大胆な発想。さすが大阪やなあ。しかし、1943(昭和18)年に火災にあったのを契機に、戦時中の鉄不足もあって解体されてしまったのだそうです。



戦後、再びあの通天閣をという地元の声に応えて、2代目通天閣は、高さ100mという堂々たる姿でお目見えしました。なんとなく、エッフェル塔の真ん中だけ抜き取って上部と下部とをくっつけたという感じのスタイル。設計者は、通天閣の2年後に完成することになる東京タワーの設計もした内藤多仲という人だそうです。

さて、10時になってようやく展望台へのエレベーターに乗り込む。通天閣のエレベーターは、塔の真下にあるのではなく、横っちょにくっつくようにして専用の補助塔が立っています。いや、専用ではなかった。エレベーターホールの右側には餃子の王将、左側にはたこ焼き屋兼土産物屋、そしてその隣には理髪店が店を構えている。階段を2階にあがるとカラオケスナックまであります。明らかに通天閣に来る観光客向けの店ではない。通天閣の一部に位置していながら、通天閣とは一線を画して存在する店。なかなかおもしろい光景です。

展望台まで昇ると、大阪市内が一望できます。すぐ隣が天王寺動物園なので、動物園を上から見下ろすというのがなかなか楽しい。しかし、これだけの展望を持ちながら、夜間は営業していないというのも大阪人のこだわりか。夜景を見せたらもっと人を呼べるはずなのに。

そして、ありました! あのウワサの「ビリケン」! ビリケンについてはまた改めて触れたいと思っています。

さて、通天閣といえば、一番先に目に付くのが「日立」のでかい広告です。「HITACHI」、「安心と信頼の日立グループ」、「日立プラズマテレビ」。西側だけは公共広告で「元気な大阪、美しい水の都」とありますが、三方から「日立攻め」という感じ。さすがナニワあきんどの町。広告も大胆です。というか、えげつないわ~。

ただし、日立はもともとは大阪の会社ではありません。大阪といえば松下電器(パナソニック)ですが、なぜ日立なのか? 聞くところによれば、日立が大阪進出をもくろんでのことだったらしい。通天閣が完成した翌年からずっと日立がスポンサーになっているのです。日立の戦術としては大成功というところでしょうか。もちろん、日立の企業色は、塔の外観だけに見られるのではありません。たとえば、2階にはかつては卓球場があったそうで、いかにも「垢抜けなさ」を象徴していたであろう場所も、今では日立のどでかいプラズマテレビが据え付けられ、完全な日立の宣伝スペースとなっています。

通天閣の最上部の円筒部分は、ネオンの「色」で天気予報を表しているそうです。晴れ→白、曇り→橙、雨→青、雪→ピンクの4色が基本形。これを2種類組み合わせて、たとえば上段が青で下段が白なら雨時々晴れ(もしくは雨のち晴れ)を表す。気象台と通天閣を専用回線で結んで表しているのだそうで、これも日立の「エレクトロニクス技術」の成果だとか。ふうん。なら電光掲示板にしたらとも素人は考えますが、あのスペースじゃ字が小さくて「よう読めんわ」ということになるのでしょうか。少ないスペースでより多くの情報を、ということで「色」なんでしょうね。

入場券とともにもらったパンフレットはなかなか凝っていて、裏側は通天閣のペーパークラフトになっています。しかも貯金箱。さっそく組み立ててみました。



これはいいアイディアです。こういう小さなアイディアが、ナニワあきんどの心意気の表れで、その積み重ねが大阪の活力を生み出しているのかもしれません。通天閣がそういう大阪のシンボルであることにまちがいはありません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿