カクレマショウ

やっぴBLOG

「大人」になった同級生たち。

2011-08-17 | ■その他
3年ぶりの高校の同期会。学年全体の約3分の1が参加しました。そのうち、よく知っている人、顔は見覚えあるけど名前が出てこない人が半々くらいかな。もちろん、「全然見たこともない人」も何人かいました。クラスも部活も違えば、ほとんど接点のないまま3年間を過ごしている人もいるわけで、以前、仕事で一緒に仕事をしていた人が、ずっとあとになって同期生だと知って驚いたこともあったっけ。

同期会って、みんなそれぞれあの頃とは違う「大人」になった部分を見られるのが楽しい。

今回、中学校から同級生でとても親しかったある友人と、大学以来の再会を果たせたことがとてもうれしかった。彼は大学卒業して東京の商社に勤めたのですが、なぜかぷっつり音信不通になっていました。聞けば、10年ほど前の同期会には出席していたそうで、その時私は参加していなかったのです。彼はほとんどあの頃と変わっていなかった。言葉遣いがすっかり標準語になっていた以外は。

会場で、入場してきた恩師が彼を見つけた瞬間に、いきなり、あれー、久しぶりだね、○○君。あなた、大学1年の夏休み、北海道に旅行して行方不明になったんだよね。大変だったんだよ、お父さんお母さんたちみんな私の家に集まってね…という話を始めたのにはびっくり。先生も、彼に会うのはそれ以来ということで、よっぽど印象深かったのでしょう。私もその「行方不明事件」のことを思い出しました。

実は私自身も大学1年の夏休み、国鉄の周遊券とヒッチハイクで、釧路、根室、網走、旭川、稚内、礼文と10日間ほど一人旅をしていたのでした。で、帰りに立ち寄った札幌で、彼とばったり会ったのでした。ちょっと記憶が曖昧なのですが、彼は、今札幌に着いたばかりで、これから北海道を回るのだと言っていたような気がします。つまり、旅を終えた私と、これから旅を始めようとする彼が札幌で偶然出会った─。

先生が去ったあと、同期会の隣の席で彼が言うには、北海道に渡る前に、弘前まで私と一緒に遊びに行っていたのだと言う。で、青森からそのまま連絡船で北海道まで渡るか、という話にもなったが、私に断られた。おそらく、私は私で既に旅の計画を立てていたし、なんといっても「一人旅」をしたかったので、断ったのだと思います。その時は、まさか札幌駅で再会するなんて思ってもみなかったのですが…。

なにしろ、経緯についてはもはや記憶が定かではないのですが、私が家に戻って何日かあとに、お父さんから電話が掛かってきて、○○と連絡が取れないとのこと。え? 札幌駅で会いましたよ、と告げると、そのあと、何日も電話がないのだということでした。私も心配はしましたが、バイタリティあふれる○○のことだから、きっと元気で北海道の旅をしているはず、と信じていました。

彼から家に連絡があったのは、それからすぐでした。お金がなくなったから送ってほしいというとぼけた電話だったらしい。親にはこっぴどく叱られたと、同期会で彼は懐かしそうに話してくれました。そりゃ、そうだよな、先生にまで心配かけて。彼は、礼文島が気に入って、そこのユースホステルにずっと滞在していたという。そういえば、札幌駅前で会った時に、礼文はよかったよ、と私が教えたのかもしれない、と記憶がよみがえってきました。

それにしても、札幌駅前のロータリーにぽつんと座っている彼を見つけた時の光景は、今でも鮮明に覚えています。彼は、中学校の頃から熱血漢で、がむしゃらに突き進むタイプでした。身に着けるものや持っているものはいつも私たちより一歩先を行っていました(そういえば、ずっと前に書いたことのある「サイフォン」を教えてくれたのも、彼でした)。スキーやバスケットなど、スポーツ万能で、目立ちたがり屋の負けず嫌い。とても分かりやすい性格。でもその反面、とてもシャイな面もあって、その辺はごく親しい友だちにしか分からなかった部分かもしれません。

「瞳の奥の秘密」というアルゼンチンの映画に、人間は住むところや環境がいくら変わっても、決して変えることのできない「情熱」がある、という話しが出てきます。その「情熱」は、いくら隠そうとしても、必ずどこかに見えてしまうもの。彼は、社会人になっても、基本的にはああいう性格のまま生きてきたんだろうなということは容易に想像がつきます。彼の「情熱」はずっと維持されてきたのだと思う。仕事に対する情熱、家族に対する情熱、趣味に対する情熱…。

ただ、今回、2時過ぎまで一緒に飲んで話しをしてみて、やっぱりさすがに丸くなったかなとも感じました。文字通り、「カド」が取れて丸くなった。基本は変わらなくても、周りをよく見て、注意しながら突き進むがむしゃらさを身に付けたという感じがします。

ちょっとそういう話しもしたような気がするのですが(酔っていてよく覚えていない(^_^;))、自分のやっている今の仕事を分かりやすく子どもたちに話せるか、ということも聞いたような覚えがします。ぜひ、彼にはそういう機会をもってもらいたいと、彼の中学校・高校時代をよく知っている私は強く思うのでした。


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