みうらじゅんの傑作「アイデン&ティティ」は別としても、「アイデンティティ」という言葉を好んで使う人はけっこう多いようです。曰く、「自分のアイデンティティを大切に」、「日本のアイデンティティを守ろう」、「このクルマのアイデンティティは」…。
でも、いったい「アイデンティティ」って何なのでしょう? 自分らしさ? 自己の存在理由? 個の独自性?
先日書いた「外来語言い換え提案」では、「アイデンティテ . . . 本文を読む
私もどっちかというと、ついカタカナの「外来語」を使ってしまう方で、いつも反省しているのですが、実は自分自身意味がよくわかっていないのに使っていることもあって、ますます反省です。
「分かりにくい外来語を分かりやすくするため」に、国立国語研究所が数年かけて「外来語言い換え提案」をまとめたことは、しばらく前にマスコミ等でもさかんに取り上げられて話題になりました。「イノベーション」は「技術革新」に、「イ . . . 本文を読む
コムスンの不正問題、ようやくコムスン社長や親会社のグッドウィル・グループのトップが登場してきたようですね。
グッドウィル・グループの創業者は、朝日新聞be on Saturdayの「フロントランナー」でも取り上げられたことのある折口雅博氏です。ディスコ「ジュリアナ東京」の成功を機に、人材派遣事業そして介護事業や保育事業など福祉分野に進出し、日本におけるベンチャーの代表選手の一人です。報道によれば . . . 本文を読む
『ねむの木の子どもたち』、『続・ねむの木の子どもたち』(ごま書房)という2冊の本が手元にあります。前者は昭和48(1973)年、「続」の方は昭和53(1978)年の初版です。宮城まり子さんの書いたこの本を読んだのは、中学生の頃だったでしょうか。ものすごく感動したことを今でも覚えています。
今年に入って、ねむの木学園が開設から40年目を迎えたこと、4月に「ねむの木こども美術館」が新たにオープンした . . . 本文を読む
人生のいろんな局面で勝ったり負けたりという体験は大切です。スポーツでもゲームでも。ただ、何にしても、一人の人がずっと勝ち続けたり負け続けたりすることは少ないわけで、あくまでも「勝ったり負けたり」だからこそ面白いし、成長もできるのだと思います。運動会で順位をつけないなんて、妙な平等主義はもってのほかですね。
でも、「勝ち組」とか「負け組」という言葉には、とてもいやな感じを覚えます。
ベンチャーで . . . 本文を読む
今日NHKで放送されていた「日本の、これから」という番組、斜め見していました。NHKお得意のスタジオ討論の形式で、地方の衰退を止めるには…というテーマです。
のっけに、あなたは現在の地方と東京など大都市圏との格差をどう思うか、という質問。選択肢が「1 問題である」と「2 しかたがない」の2つしかないことにまず驚く。というより、そもそも「問題である」ということを前提とした番組ではなかったのか?と思 . . . 本文を読む
住民税の最大1割程度を生まれ故郷の自治体などに納める「ふるさと納税」。選挙対策なのかどうか知りませんが、政府与党からいきなり出てきたこのアイディアにはびっくりしました。
まず思ったのは、こりゃ石原東京都知事が猛反対するだろうな、ということ。東国原知事を「田舎もん」呼ばわりしたことに表れているように、強烈な「東京中華思想」をお持ちの方ですから、都民の税金を地方なんかに持っていかれるのは我慢できない . . . 本文を読む
2007年4月14日付け朝日新聞 be on Saturdayの「フロントランナー」は富山市のNPO法人このゆびとーまれ理事長、惣万(そうまん)佳代子さん。高齢者、障害者、児童という福祉行政の枠組みを超えた、新しいデイサービス(「富山型デイサービス」)の生みの親です。
「このゆびとーまれ」には、年齢や障害の有無にかかわらず、「誰でも必要なときに必要なだけ利用」できる施設。通常の行政のシステムでは . . . 本文を読む
今回の統一地方選、沖縄と福島で行われた参院補選よりも、人々の注目は何といっても長崎市と夕張市の両市長選に集まりました。
長崎市長選挙は、選挙運動期間中の伊藤一長氏の死去に伴い、急遽、娘婿と市職員が立候補し、たった2~3日間の選挙運動で、両者合わせて実に得票率84%という異例の選挙でした。結局、わずかの差で「実」が「情」に勝つという結果に終わりました。伊藤市長の娘さんの気持ちもわかりますが、「父の . . . 本文を読む
宮城県・栗原市で、方言を交えた市民憲章を制定しようとしたら、市民から「田舎っぽい」とか「東北の暗さが強調される」などの批判が続出しているのだとか(2007年4月17日付け朝日新聞他)。
栗原市は宮城県北部に位置し、人口8万人。10町村の合併で2年前に誕生した市です。新しい市にふさわしい市民憲章をということで、地元の有識者5人で文案が検討され、次のような素案が出されたのだそうです。
栗原市民憲章 . . . 本文を読む
どうにもやりきれない事件が長崎と米国で起こりました。
伊藤一長・長崎市長の銃撃事件。自分に思うとおりにならなければ暴力にモノを言わせるという最も卑劣な犯行です。ニュースステーションでは、容疑者の元妻なる女性が「子煩悩で本当にいい人」と語っていました。そういうインタビューを放映する意図が今一つわかりませんが、だからいったい何だと言いたいのでしょう? 妻にとって「いい人」だったかもしれませんが、卑劣 . . . 本文を読む
「ヴィレッジ・ヴァンガード」という店があります。
私はつい最近まで、この店が本来「書店」なのだ、ということを知りませんでした。どう見ても「雑貨屋」じゃないですか! アメリカン・ポップからエスニックまであらゆる「雑貨」が雑然と並べられた店内の一角にいきなり本の「コーナー」が出現することに、最初は逆に違和感さえ感じたものでした。並べてある本は、たぶんそのへんのの書店では店頭で扱ってないような本が多い . . . 本文を読む
今、日本で一番元気のある公共交通機関は、富山市内を走る「富山ライトレール」(愛称ポートラム)でしょう。2006年4月に開業した、富山駅北駅と岩瀬浜駅を結ぶ約7.6kmの路面電車です。
富山市といえば、先日、中心市街地活性化法に基づく地域認定第1号に、青森市とともに選ばれました。中心市街地活性化法とは、いわゆる「まちづくり3法」の一つで、中心市街地の空洞化に歯止めをかけるための法律です。認定を受け . . . 本文を読む
「第4回青森県地方分権シンポジウム」に行ってみたら、まだ開始時間には間があるはずなのに、既に誰かが話している様子。見ると、基調講演の講師の浅野史郎・前宮城県知事(現在は慶應義塾大学教授)が、マイクを握って勝手に?話を始めていたのでした。さすがに型破りの方ですね。
このシンポジウムの趣旨は、地方分権改革に向けた流れが一層加速する中、今後の県の在り方を考える上で、県民に、分権型社会にふさわしい新たな . . . 本文を読む
昔からとても違和感を感じていたのが、「今言ったこと取り消してー」という言葉。
一度言ってしまったことを「取り消す」とはどういうことなのか。子どもの頃、大人たちが使うこの言い方が不思議でたまりませんでした。言ってしまったことは言ってしまったこと、聞いてしまったことは聞いてしまったことなんだから、いくら取り消しても言った方も聞いた方も心には残っているわけですよね。それは絶対に消すことができない。
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