ウスキキヌガサタケ
過日の極楽寺山(広島県)登山で、ウスキキヌガサタケなるキノコを初めて見たが、それは、『白いレースをまとった美しくも妖艶なキノコ』と言う予想を覆す『黄色いレース』をまとったキノコで、図鑑ですら見たことのないものだった。
案内して頂いたn-etohさんの『キヌガサタケとタマゴタケが見れますよ』の言葉に、はじめは『えぇッ』と思い、『キヌガサソウの間違い・・? でも極楽寺山にキヌガサソウある訳ないし・・』と半信半疑のまま登り始めたが、同行の美女軍団の言葉の端々から『本当なんだッ!』と思い、現場に辿りついて実物に出会って驚くと同時に『・・・?』と微かな違和感を覚えた。
残念ながら前日の雨で倒れていたものしかなく、完全な個体写真を撮ることはできなかったが、それは紛れもなくキヌガサタケで、しかし、私が予想していたものとは何かが違っていた。
その違和感の正体はマントの色が予想に反して白でなく黄色だったことなのだが、その時は『キヌガサタケのレースは黄色だったのか・・?』と、安直にも自分の認識を目の前の現実に合わせて修正することにした。
幼菌(卵)
安曇野に戻って改めて調べてみると、件のキノコは『キヌガサタケ』の仲間の『ウスキキヌガサタケ(薄黄衣笠茸)』と言う種で、黄色いレースをまとっているのが名前の由来と思われ、同属の『キヌガサタケ』のレースの色は白でよかったと言うことが分かってまたまた修正。(何と無節操な!)
ウスキキヌガサタケは、『菌類、スッポンタケ目,スッポンタケ科,キヌガサタケ属』のキノコで、国内では高知県をはじめ、京都,広島,徳島,愛媛県,福岡,大分,熊本県,宮崎各府県等に分布しているようだ。
暗緑色の傘の部分から下に伸びるマントと呼ばれる部分が鮮やかな黄色の網目状で、その優美な姿から別名キノコの女王とも呼ばれている~,とも・・。
特筆すべきは、高級中華料理やフレンチなどにも登場する美味しいキノコと言うことで、しかも高知県で初めて人工栽培に成功し、同県内では地域の特産品にしようと栽培に取り組んでいる所があると言うことだ。
一方の白いレースのキヌガサタケは成長が早いことでも有名で、菌界・植物界中一番成長の早いのは、このマントの伸びる速さであると言われている。
そのキヌガサタケのグレバ(悪臭のある褐色のネトネト)を取り外してバケツで水に溶き、直射日光の当たらない有機質に富んだ地面に如露で撒くと、うまく行けばキヌガサタケを発生させることができるそうだ。(竹林がいいらしい)
『キヌガサ~』がそうであるなら『ウスキ~』も栽培できるかもしれないので試してみる価値がありそうなのだが・・,
極楽寺山のウスキキヌガサタケを見に行く人達は、そのキノコを鑑賞の対象として、タマゴタケと共に大切に大切にしておられることは言うまでもなく・・,
かようなことを考える自分は顰蹙者の異分子ナノデあります!
私もいつか会ってみたいです。
クンクン匂いを嗅いで、ついでに味見もしてみたいな~☆
食べてみたいキノコの筆頭ですよネ・・。
クレバが悪臭を放つことでハエなどの虫を呼び寄せるそうなので、その匂いもどんなものか嗅いでみたいものです。
完全な形の写真を撮りたかったですが、いつかまた機会があることでしょう。