遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

不動・船窪岳へ

2009-06-28 13:21:53 | アルプス
 不動岳側から見た烏帽子岳
 南沢岳からの下り
 6月14日(日)
4時になるのを待って起きる。前夜食べなかったアルファ米1袋とレトルトのカレーがあったが、これを湯煎するのもまた用意したアルファ米のリゾットを湯戻しするのも時間がかかるので、お湯を沸かして残った握り飯と簡単スープを流し込む。融かした雪でお茶を作って飲料を確保し、6:00出発。
 南沢岳三角点
 不動岳前ピーク西面の大崩れ
 6:08,南沢岳の三角点を通過。前日,通過したピークは山頂ではなかったようで、標高2625mは今回の縦走最高地点。目の前には不動岳西面の大崩れが見えているが、その間には南沢乗越の深い切れ込みがあってここからは200mあまりの下りとなる。
 不動岳西側の高瀬ダム側は、前日最後に渡った濁沢の源頭部に当たっており激しく崩落している。それは乗越を隔てたこちら側の南沢岳も同じで、登山道は稜線の縁である崩落した部分とハイマツ帯の境目を通っているので気が抜けない。
 ヒメウズ?⇒※ヒメイチゲ
 ※ヒメイチゲではないかとのご指摘頂き、同種と確認ましたので訂正致します。
 ヒロハユキザサ
 この辺りから残雪が多くなり、雪の急斜面の下降を余儀なくされる場面もしばしばで、その途中でスリップして5mほど滑りハイマツ帯に突っ込む。しばらくの後腕時計がなくなっているのに気づいたが引き返すにはすでに遅すぎた。
 そう言う雪で寸断された難しい道であっても、雪が融けた所には春が来て草が芽吹き、花が咲く。
 キヌガサソウ

 6:45,南沢乗越を通過して大きくガレた不動岳の前ピークの登りに入る。西面は急登だが雪がなく花が豊富で、ユキザサに混じってキヌガサソウやショウジョウバカマが見られるようになる。キヌガサソウの芽だしはユキザサをそのまま太くしたような感じで両者が非常によく似ていることを知る。
 ふり返ると先ほど下ってきた南沢岳からの道がよく分かり、またはるか遠方には烏帽子岳の奇怪な山頂を望むことができた。
 7:25,前ピークに到達。10分休んで展望を楽しむ。南沢岳からここまでは1時間25分。大幅ではないが予定をややオーバーしているのは雪が多いせいか・・。
 樹林帯を彷徨う
 ライチョウ♂の糞
 7:35分。不動岳まで順調に行けば20分ほどの道であるが、ここから登山道が完全に雪に閉ざされて分からなくなった。右側の様子が分からないので稜線の縁を避けて左側の雪面を斜めに下り、樹林帯を突破しようとしているうちに稜線からかなり離れた位置まで下ってしまった。
 北側の大斜面を登るG氏
 あの左上の切れ目にかける
 道を見失い、遮二無二ブッシュをかき分けて抜けると広くて分厚い雪の斜面に突き当たる。幅40m,下に向かってどこまでも続く大斜面で長さは計り知れない。目印を探したが何もなく、その上悪いことにG氏が潅木に眼鏡を取られて探しに戻るというアクシデントが起きた。
 ここは斜面を登って稜線に出る道を探すか、ハイマツ帯を突破するしかないと覚悟を決めて急斜面を登る。
 的中
 抜けた!
 雪の斜面を斜めに横断しながら登りきると道があった。上からハイマツを踏んで下ってくるなら兎も角、下からハイマツ帯を突破して登る等,口では言えてもできるものではない。この道がなかったら稜線に出るのは不可能に近く、樹林帯に迷い込んだ位置まで戻るしかなかったかもしれない。
 不動岳頂上標識
 標識を立てた!
 8:35不動岳着。テン場から2時間35分と夏道の2倍の時間を要し大幅に遅れが出た。倒れた山頂標識を2人で立て直したり、写真を撮ったりしてやや長めの休憩をとる。烏帽子ははるか遠くなり、南沢岳にかけてガスが立ち始めていた。」
 イワウメ
 烏帽子・南沢岳にガス湧く
 8:55発。前日の大腿部側方の痛みは跡形もなく消えたが、この日は下りの際の深い屈曲で大腿部前面に痙攣が来ており、一抹の不安を抱えたまま船窪岳への登りにかかる。
  目標までに第2ピークを含むまで3つのピークを越えなければならず、船窪小屋までは5時間弱,七倉へはさらに4時間の下降で明るいうちに下山するのは難しい情勢になってきた。
 船窪岳方面
 七倉岳