ブラックホールを見る。

ブラックホールというのは理論的には存在することが分かっていたのだが、人間は目で見て、初めて、納得するという習性がある。遠くで爆音が聞こえて、それが飛行機だと思うのだが、それでも振り返って、それが飛行機であることを目で確認する。これが人間というもので、目で見て確認して、証明されたと言うのである。このたび、世界中の巨大な天体望遠鏡を1極に集中し、それから得られた膨大なデ―タから、ブラックホールの画像を作り上げることができたのである。この画像作成に大きな貢献をしたのがアメリカの女性コンピューター科学者、29歳のケイテイ・パウマンさんである。彼女が開発したアルゴリズムを使い、ハーバードスミソニアン天体物理学センターは膨大なデータを異なる4チームに渡し、それぞれのチームが約１カ月の作業の後で、出した結果は、ほぼ同じ映像であった。彼女の作成したアルゴリズムが正確であったことを示したのである。画像はどれも下半分が上半分よりも明るいものであった。もちろん、公開された画像は加工されているので、実際の、その場の色彩とは異なるが、ブラックホールは光を吸収しているところなので、光が赤黄色であれば、このような色彩となるであろうと思われる。（4月12日）

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