世界の国々、特に、アメリカやヨーロッパと敵対関係にある国々が、アメリカなり、ヨーロッパなりと良好な関係を模索するときに、行う打つ手は、それらの国々の花形産業である航空機の購入を宣伝し始めることだ。航空機産業というのは、技術の塊で、どこの国でも、産業として成立わけではない。だから、航空機を買ったからと言って、自国の産業に打撃を与えるわけではない。さらに言えば、IT産業のように、先進技術として、自国産業として、育てるほどに若い産業でもない。だが、アメリカやヨーロッパにとっては巨大産業で、多くの雇用を抱えているし、注目度も高い。マスコミにも取り上げられる。こうしたことで、例えば、中国の習近平国家主席が昨年の9月にアメリカを訪問した際には、シアトルで、ボーイング機300機を購入すると表明したのである。そして、イランのアッバス・アホウンディ運輸相は1月28日に、同国保有の旅客機などを更新するため今後、計約500機の発注が必要になるとの見方を示した。つまり、ヨーロッパかアメリカの航空機を購入すると表明したのである。高速鉄道網受注では日本と中国が競っているのだが、航空機の場合は、アメリカとヨーロッパが競っている。ある意味、西洋同盟に亀裂を入れることができるのである。(2016.1.29)
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