戦争が始まってしまえば、何でも起こるということだろう。たぶんロシアの兵士によるものだろう。南部ヘルソン州にあるカホフカ水力発電所のダムが決壊したのだ。下流域の多くの住民が避難を余儀なくされている。もちろん明確な国際法違反なのだが、焼夷弾投下と同じく、直前に死がある世界では、何でもありとなっていく。この背景にはウクライナのジレンマもあるようにも思える。ウクライナは西側諸国の援助を得て、戦争を続けている。西側諸国の関心を常に引き留めておかなければならない。それにはある程度の戦果が必要なのだが、空軍支援のないままで、地上戦だけでは限界がある。圧倒的な軍事力の差がないなかで、ロシアが守りを固め始めているのである。西側が期待する反転攻勢がどこまでできるのか。智慧の見せどころなのか。知恵を絞っているのか。冷や汗を流しているのか。軍上層部は悩みが深いのだろう。（くちなし亭、2023.06.07）
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