最近の原油価格は1バーレル70米ドル近辺まで、下げている。弱含みである。ウクライナ戦争が起き、片方の資源大国であるロシアの原油や天然ガスが西側諸国への販路先を失ったことで、一時期、原油価格の高騰が危ぶまれたのである。これを利用したのがサウジである。脱アメリカを掲げるサウジはロシアやイランと接近し、OPEC+を取り仕切ることで、原油市場の支配力を強めようとした。今回のOPEC+では、サウジ主導の減産方針が採択されたが、OPEC諸国の多くはナイジェリアなど原油の増産による売り上げ増を希望する国も多い。まして、ロシアは戦費増に国家財政破たんの危機に直面しているのである。少しでも多くの原油を売るのになりふり構ってもいられないのである。だが、エネルギーをめぐる対立は原油価格の上昇をもたらすばかりでなく、新たな資源国も造りだす。北海油田などのそのような過程で発掘されたものだ。最近、日本近海のメタンハイドレートが注目を集めている。現在はパイプに砂が詰まるなどの高い壁に突き当たっているが、技術開発が進めば、日本も資源大国に変わる可能性もあるのである。(くちなし亭、2023.06.10)
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