私の周辺ではJRの電子マネー「スイカ」の利用が圧倒的である。これを強力に推進したのは、前回の消費税の値上げの時であった。つまり、電子マネーだと1円単位の運賃だが、切符になると端数が切り上げられ、10円単位になる。短い区間を何度も通う人間にとっては、その差は大きい。例えばスイカで141円の区間も、切符を買えば150円になる。だから、どちらでもよい派が雪崩を打ってスイカ派に鞍替えしたのである。今年の10月に再び消費税の値上げが決まっている。そこで、ヤマト運輸は宅配料金に、この制度を取り入れる。電子マネーならば、1円単位だが、現金だと端数を切り上げた10円単位にするというものである。ヤマト運輸はヤマト運輸なりに、現金決済の手間を省こうとする試みかもしれないが、宅配なら、別に人間のやることで1円単位でもいいではないかと思う。宅配なら現金派は現金派のままだろう。だが端数も集まれば大きな金額だ。消費税をこんなところで儲けに利用してよいものかと思う。しかし政府も消費税を導入する後ろめたさがあるのだろう。黙っている。しわ寄せはいつも庶民だ。(くちなし亭、9月5日)
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