世界は、今、四つの大問題を抱えているのだが、そのどれもが解決の糸口さえ見えていない。(1)イギリスのEU離脱問題(2)香港問題(3)イランの核問題(4)北朝鮮問題である。ここで、(1)と(3)は西半球の問題である。そして、(2)と(4)は東半球の問題である。当然、われわれにとっては後者が重要で、ヨーロッパの人間にとっては前者である。トランプ大統領の最大の失点はいまだ一つの問題が解決していない状況で、新たな問題を作ることだ。イラン問題が最大の例だ。北朝鮮問題に先が見えてきたと思ったのかもしれないが、解決前に、イランとの関係をこじらせてしまった。こじらせれば、それに関与しなければならない。こじれていけば、せっかく、うまくいきそうになっていた北朝鮮問題も再びこじれ始める。そして、東アジアでは北朝鮮問題など、どうでもよいというような大問題が香港で起こってしまったのである。それで疎外感を味わう北朝鮮がまた、暴れだしたのである。イランとも手を結ぼうとしている。アメリカも日本も本心は北朝鮮に静かにしていてほしいというものだが、足元を見る北朝鮮が黙っていない。イギリスのEU離脱もイギリス国内の混乱で、泥沼化して、EU経済の混乱は避けらそうにない。そんな状況下で、ロシアは国内のプーチン大統領の弱体化で、外への強硬姿勢ばかりが目立つ。ついでに言えば韓国も国内経済の減退や混乱で、対日強硬姿勢ばかりが際立つのである。さて、先ほどの四つの問題である。私を不安にさせるのは、どうなったら、全世界にとって、もっともよいことなのかが、神様でも分からないことである。(くちなし亭、9月11日)
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