ケーキのモンブランはヨーロッパの雄峰モンブランからきている。モンブランだから。白い山なのだが、ケーキのほうはいつの間にか、栗色になっている。それはさておき、モンブラン近郊の町、サンジェルベレバンの町長がフランスのマクロン大統領に、モンブランに登頂する人の中には、変人が多く、町を悩ませている。どうか、重い刑を科してほしいと訴えたのである。例えば、ある英国人はモンブランに重いトレーニングマシンを持ち込み、持って帰る体力がなくなり、山小屋に放置したままだ。あるドイツ人は愛犬と一緒に登頂を目指し、かわいそうに愛犬の足は血だらけになってしまった。あるスイス人は軽飛行機での登頂を試み、憲兵隊に捕まったのだが、そこは古い法律しかなく、罰金4400円を払って離陸していったという。こんなに迷惑をかける人たちが多いので、町長もついに堪忍袋の緒を切ったというところだろう。さて、私の友人たちである。いづれも変人である。私はもう、歳だから山には登らないようにと説得しているのだが、「山」と「変人」の組み合わせはまことに問題なのである。開放的な山の上では変人は何をするか分からないのである。(くちなし亭、9月4日)
Y-FP Office Japanトップページ
Y-FP Office Japanトップページ