携帯扇風機。匂いに逃げ惑う私。

携帯扇風機が旅行者を中心にブームになっている。この暑い日本では、持ち運び可能な携帯クーラーハウスも必要なようだ。さて、この携帯扇風機だが、音や匂いをまき散らすと、一部の人たちから不評だ。匂いというものは微妙なもので、エレベーターなどに、それまで乗っていた人の香水の残り香が漂っていることがある。その匂いの元はすでに、エレベーターから立ち去った後で、誰のものかはわ分からない。若い時であったら、その甘い匂いに誘われて、妄想の世界に入るかもしれないが、脳の老化した今となればそうではない。厚化粧を感じさせて、辟易とするのである。それよりも、そんな匂いを身に着けて、その人こそ気持ちが悪くならないものかと気遣うのである。匂いとはそれほどに敏感で、しかも、人、それぞれに好みが異なるものである。若い女性たちは、若くない人も含めて、一生懸命、化粧をするので、ついつい匂いもきつくなる。そこに持ってきて、携帯扇風機である。たまらんな～と思いつつ、若いときであれば、この匂いに誘われていたのに、どうなってしまったのかと、それでも逃げ惑う私である。（くちなし亭、9月7日）

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