年の瀬である。浅草の浅草寺では、この時期の風物詩である羽子板市が開かれている。羽子板自体の子供たちの遊びは、ゲーム機などに奪われてしまったのか、街中ではみません。でも、羽子板には、どこか、江戸情緒のようなものを感じさせるので、インテリアとしては、活躍しているようです。毎年、その年に活躍した人がモデルになる羽子板が注目を集めていますが、今年は楽天の田中将大投手などが絵柄になっていると聞きます。ただ、多くの人が買い求めるのは、昔ながらの女の子に好かれそうな絵柄です。江戸時代、羽子板はもともと、女の子の遊びで、羽根のついた球を打ち合うものでしたが、その羽根の先の黒い球を無患子(むくろじ)と呼び、子供を病から守り、無事息災を祈るものでした。でもいつの間にか、遊びがすたれて、羽子板がインテリアになると、大事な羽根のほうがどこかに忘れ去られてしまい、バドミントンの羽根が使われたりして、寂しい想いをしているのです。今や、板に張られた人形の見事さが目を引いて、立派なガラス張りのケースの中に大事にしまわれているのです。東京、墨田区には、小さな博物館というのがいくつかあって、その中には、昔から羽子板を造っていた方が、店のほんの小さな一角を公開して、羽子板博物館と命名しているところがあります。
Y-FP Office Japan
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