あんなこと こんなこと 京からの独り言

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昭和への処方箋

2011年10月31日 | うんちく・小ネタ

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                                                              日経消費ウォッチャーが「低迷する消費 回復への処方箋」という特集記事を組み、大震災後の消費回復に関する専門家47人の提言を紹介していました。
自粛による日本経済の停滞は一種の二次災害であり、被災地支援のためにも、「節約しながら消費」という矛盾を解決する処方箋が必要なのだとありました。

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「言い訳消費」
今の状況でゴルフに興じるのは心が痛むが、「プレー代=通常料金+復興資金1000円」と設定すれば、後ろめたさが達成感に変わり、躊躇していた人々がゴルフ場に足を運ぶ・・。
私の知人も、一杯につき50円を被災地支援に充てる「復興ラーメン」を企画しています。目的と言い訳さえ準備してあげれば、消費は必ず復活するはずです。
言い訳では物足りない人のために、「被災地からのGOサイン」が必要との提言もありました。「東京は日常に戻って経済を回し東北を支援してください」という首長からのメッセージがあれば言うことなし?かも知れません。

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                                                           「逆転の発想」
節電で街は少し暗くなっていますが、「もしかしたらお肌のアラが目立たないかも」→「美人が増える?」→「恋が生まれる?」→「恋愛消費!」といった逆転の発想ができないだろうか。今までの日本は明るすぎた。と、書いてありました。
解像度の粗さを逆手に取った「プリクラマジック」で美男美女が増えたように、暗闇で恋愛が成就することに期待したいものですね。心身ともに見えにくい部分がある方が、人は幸せなのかも知れません。

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「定休日の復活」
節電対策として定休日制度を復活させる。昔はデパートも週1回の定休日があった。ファミレスやコンビニも周辺店舗と調整しながら休みにすればいい。さらに、定休日を利用した復興支援を企画するもよし。                                                   ・・とのこと。
定休日の前夜はそのデパートの社員が繁華街に繰り出すわけで、飲食店の経済効果も見込めるでしょう。それに、正月休みも復活させて欲しいものです。火鉢のにおいと凛とした元旦の空気は、全ての活動が休止した状態でのみ体感できるものです。
子供の正月が懐かしくさえ感じます。

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これこそが輝ける昭和への処方箋だと思います。

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白い巨塔的医師不足

2011年10月17日 | うんちく・小ネタ
               
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医師不足が叫ばれて久しくなりました。
厚生労働省の調査によると、診療に従事している医師の数は
2006年末で約26万6000人。人口1000人あたり2.1人の割合です。これは、先進29ヶ国中26位の低水準。
1位のギリシャだと1000人あたり5.4人にもなるそうです。
逆に日本の病院ベッド数はトップで、1000人あたり14床。
ギリシャはかなり少なく4.8床。やはり、日本の医師は1人が抱える入院患者数も多くて大変ということになります。
厚労省は医学部の入学定員を現在の46大学8486人から将来的には12000人に増やすべきだと提言しているようです。
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                                                                 そもそも、若人が医学部を志望する動機は何なのでしょう。
現在の医学部生の約半数が親も医師であることを考えると
世襲的要因が上位に来ることは否めないようですが、映画やテレビに登場する医師像に惹かれて…、という動機も大いにあるはずです。      
                     
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そこで、日経メディカル2010年増刊号が選んだ『日本の医療映画10本』を読んでみました。
「赤ひげ」「海と毒薬」「本日休診」「白い巨塔」「ヒポクラテスたち」
「大病人」「命」「阿弥陀堂だより」「感染列島」「デイア・ドクター」。                                            医療雑誌の厳選作品だけにどれも秀逸ですが、やはり「白い巨塔」でしょうか。
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1966年公開の白黒作品ながら、田宮二郎演じる財前五郎がキレにキレていたように記憶しています。その後、1978年6月からスタートしたテレビ版も凄かったように思います。
ある知人の同級生3人がテレビ版の田宮財前に感動して医学部を目指し、その内の1人はなぜか途中から役者を志しました。
正統派(?)の2人は医師になったそうですが、アウトローの1人は消息不明。
結局、その知人の小学校時代の同級生6人が医師として活躍しているようですが、勤務先は全て出身地の県庁所在地の市内中心部。そして、激務といわれる産科、小児科、救命救急医はゼロ。医師不足ではなく、医師の偏在化が問題なのだと感じさせる身近な事例となりました。
                                                                 財前教授に憧れた医師が、僻地医療を目指すはずもなく、将来のためには「赤ひげ」のテレビ版を復活させるしかないと思うこの頃です。
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