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最近、やっと納豆がおいしく食べられるようになったのです。
ただし、納豆臭の少ないやつを、辛子とタレでごまかして。
白飯と一緒に納豆をかき込みたい願望はすごく強いのですが、
ごはんがネバネバになるのがちょっと嫌。
ネバネバこそが納豆の真骨頂なのに。
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納豆のネバネバ成分は、グルタミン酸が約5万個つながった
ポリグルタミン酸と呼ばれる高分子体。
納豆菌たちは、このポリグルタミン酸を楯にして
アメーバや原生動物などの捕食者、バクテリオファージなどから
粘り勝ちで身を守るのです。
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だから、こんなバリアを破って食べる納豆好きは
粘り強い人間になれるのです。
オクラ、山芋など、ネバネバ系を避けてきた私は、
あきらめの早い粘り無き人。
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そして、
納豆のポリグルタミン酸にはもうひとつの不思議があるのです。
それは、D型のグルタミン酸がほぼ半分を占めているということ。
ふつう、自然界に存在するグルタミン酸はL型。
「味の素」の主成分であるグルタミン酸ナトリウムもL型。
D型に旨味はないのです。
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D型とL型の違いは、単に構造が左右対称というだけ。
つまり、右手と左手のような関係で同じだけど重ならない不思議なペア。
D型を鏡に映した姿がL型だから、鏡像体という呼び方もある。
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自然界に存在しないD型グルタミン酸。
納豆のねばねばは鏡の向こうからやってきたのか。
いや、D型アミノ酸は隕石の中にもあるから宇宙からやってきたという説も。
ならば納豆を宇宙に持参し、スペースシャトルの中で糸を引くかどうか、
調べてみてはどうでしょうか。
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もちろん、納豆菌汚染のリスクがあり、NASAは気絶するでしょうが…。
とにかく、日々納豆を食べ、コツコツネバネバ前に進み、
宇宙飛行士になるがごとく精神力で仕事を成就せねばならないと思うのである。
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